前回、ほとんどの人がチャイルドシートを正しく装着できていないという実態を指摘しました。今回は、チャイルドシート関連の死亡例を取り上げつつ、チャイルドシートの使い方について検討していきたいと思います。
チャイルドシートとは?
言うまでもなく、チャイルドシートは本来、生後数ヶ月~数年の乳幼児の自動車内での安全を確保するために開発されたもの。ところが、多くの人々にとってチャイルドシートの捉え方は「生後数ヶ月~数年の乳幼児に対して、快適な睡眠環境を与えるための道具」に過ぎないといいます。
この点については、米国小児科学会誌『The Journal of Pediatrics』(2015年4月24日)でも報告されています。
チャイルドシート関連で最も多い死亡事故は?
ペンシルベニア州立大学ミルトン・S・ハーシー医療センターのエリック・K・バトラ医師らは、米国消費者製品安全委員会に報告された2歳以下の乳幼児の死亡例を調査。そのうち47件は、チャイルドシートを含む”座ったり運んだりできる装具”関連で、チャイルドシートが死因となったケースは、なんと!全体の3分の2に及びました。
チャイルドシート関連の死亡例を詳しく見ると、チャイルドシートのヒモによって絞殺状態となり、窒息死に至ったというケースは52%を占めていたそうです。バトラ医師曰く、「チャイルドシートに子供を座らせているあいだ、危険と隣り合わせであるという事実を認識できていない人は非常に多い」とのこと。
これはあくまでも米国の調査結果に基づいた見解ですが、心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかくチャイルドシートを購入しクルマに装備していたとしても、使い方を間違っていて重大な事故が起こってしまえば、最悪のケースに陥る場合も考えられます。チャイルドシートに関する重大事故を回避するためにも、購入時に添付されていたマニュアルを見ながら、チャイルドシートの使用状況を振り返ってみてください。防げる事故は未然に防ぎ、愛する我が子を自分で守りましょう!
画像 – Flickr : Michael Beck