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大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】

大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】

2年に一度のクルマの祭典、「東京モーターショー2015(10月30日〜11月8日・東京ビッグサイト)」が本日まで開催中だ。

今回も、国内外のカーメーカーから様々なクルマが出展されているが、そんな中で、20トン超の大型トラック用エンジンにも、エコの波が来ていることが判明。なんと、いすゞから環境対策と高燃費を実現する、排気量7,790ccの超コンパクトエンジンが参考出品されたのだ!

 

小型化とターボ化が進むエンジン

普通乗用車で考えれば、7,790ccという排気量はかなり大きい。

が、一般的に総重量20トン超の巨大トラックには、11L〜13Lのディーゼルエンジンを搭載している事を考えれば「約半分」。十分にコンパクト化されているのだ。

今回いすゞが発表した7,790ccエンジンは「6NX1-TCS」。水冷直列6気筒のディーゼルにツインターボを搭載。最高出力は340ps/2,000rpm、最大トルクは145kg・m/1,300rpmだ。

 

大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】

同じく今回発表された、新型「GIGA(ギガ)」に搭載されている9,839ccディーゼルの「6UZ1-TCS」でも十分コンパクトなのだが、「6NX1-TCS」はさらに小さい。

 

大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】
しかも、9,839ccの「6UZ1-TCS」はシングルターボで最高出力340ps/1800rpm、最大トルク185kg・m/1000-12000rpm。2つのエンジンの性能にはさほど差がない。

いすゞの担当者さんの話では、7.7Lの「6NX1-TCS」でも、「GIGA」に搭載することは十分可能だという。

 

エンジンの小型化とターボで排ガスと燃費対策

では、いすゞはなぜ、超小型エンジンを出してきたのか?

それには、やはり環境問題が背景にある。

例えば、いすゞの「GIGA」は、約20年前に初代が発売されているが、当時の20トン超クラスのエンジンは、排気量22L〜23Lのディーゼル・ノンターボがメインだった(中には排気量30Lもあった)。

それが、排ガス規制対策などで、年を経る毎に徐々にダウンサイジング。が、ただ小さくするだけではパワーが出ないので、ターボチャージャーを装着することで、特に低回転域でのパワーやトルクを向上。しかも、ターボは排ガスを利用するシステムなので、「排ガス低減」に繋がる。加えて、燃焼効率も向上するため「燃費アップ」にも貢献するのだそうだ。

要は、最近の乗用車のトレンド、環境対策のための「エンジンのダウンサイジング化とターボの組み合わせ」という方程式は、大型トラックの世界でも起きていたのだ!

 

大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】
それを証拠に、例えばUDトラックスが今回出展したトラック「Quon CDウイング」のエンジンは、排気量11,000ccディーゼルにターボを搭載。

 

大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】
ボルボの「FH 6×4トラクター・スリーパーキャブ」の場合は、排気量12,777cc水冷ディーゼルに、インタークーラーターボを搭載。

いずれのメーカーでも、かつての20Lオーバーという巨大エンジンは使っておらず、しかも必ず”ターボ”がセットになっているのだ。

 

いすゞ製7.7Lの凄さはツインターボ

大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】

そんな中、いすゞが出した前述の「6NX1-TCS」は、7.7Lという小排気量でもパワーが出るように、ツインターボを採用している。

しかも、この2つのターボたちは、エンジン回転数や車速などでシングルとツインの切り換えが可能だ。

例えば、スタート時など、重たい荷物や車体を動かすためにパワーが必要な時にはツインターボが稼働。そして、車速が80km/h以上など高速域となり、さほどパワーやトルクが必要ない時はシングルターボに切り替わる、といった感じだ。これにより、より排ガスが低減でき、燃焼効率が向上する(=燃費向上)のだ。

2016年10月以降、国内のトラック用ディーゼルエンジンの排ガス規制がさらに厳しくなることが今年7月に決まった(従来より約4割低い排出量になる)。

日本だけでなく、EUや北米でも、燃費や排ガス規制は年々厳しくなっている。中国や新興国でも、今後は排ガス問題がかなり表面化してくることは確かだ。

身近な乗用車だけでなく、トラックにもそれらが影響していることは、考えてみれば至極当然。

 

大型トラックもエコ対策!エンジン排気量が昔の1/3って本当!?【東京モーターショー2015】

日野自動車が今回出展した「プロフィア ハイブリッド」のような、モーターとエンジンのミックス車も今後さらに出てくるだろう。ひょっとしたらEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)も?

益々興味が尽きないところだ。

 

Writer: 平塚直樹

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