【最速クルマ列伝】1880年代から現在まで各年代の最速車はコレだ!

クルマが発明されて200年以上。”馬が不要な馬車”として、蒸気機関で動く初のクルマがフランスで発明されたのは1769年のこと。当時、最高速度はわずか3km/h程度だ。それからクルマは、急速な普及と共に大幅な進歩を見せ、今では一般公道を走れる市販車ながら、400km/hを超える最高速度を出せるモデルまで出てきている。

クルマの最高速度は、そのモデルの性能を示す最も分かりやすいファクターのひとつだ。では実際、クルマの最高速度は、どのように上がってきたのか? 発明直後の1880年代から現在まで、10年単位の各年代毎に、当時最速だったクルマをアメリカの情報サイト「THRILLIST」がチェック。

クルマの進歩がよく分かり、面白いので紹介しよう。

【1880年-1890年】ベンツ・モーターワゴン(16km/h)

1880-1889 | Benz Motorwagen

まだ、クルマというより馬車に近いフォルムが時代を感じる。作ったのは、ガソリンエンジン式市販車を最初に作ったと言われているドイツのベンツ社だ。

【1890年-1899年】スタンレー・ラナバウト(56.3km/h)

1890-1899 | Stanley Runabout

ラナバウト(Rubabout)は、蒸気自動車だ。1899年にアメリカのロコモービル社が市販、設計はスタンレー・スチーマー社が担当。すでに存在したガソリン車よりも、当時は蒸気自動車の方が速かったことに驚き!

【1900年ー1909年】メルセデス・シンプレックス(117.4km/h)

1900-1909 | Mercedes-Simplex 60hp

メルセデスは、ドイツのダイムラー社が1901年から使っているブランドだ(現在はメルセデス・ベンツ)。1902年に発売されたシンプレックスは、元々はレーシングカーとして開発されたクルマ。60馬力を発揮するガソリンエンジンは前置きレイアウト、傾斜が付いたハンドルや低重心デザインなど、その後のクルマ作りに繋がる仕様が随所に見られる。

【1910年-1919年】アウストロ-ダイムラー・プリンスヘンリー(136.7km/h)

1910-1919 | Austro-Daimler Prince Henry

こちらも元々はレーシングカーとして開発。このクルマのチーフデザイナーを務めたのは、なんとポルシェの創始者であるフェルディナンド・ポルシェ。ポルシェが手掛けたエンジンは、当時から”スピード番長”だったのだ!

【1920年-1929年】デューゼンバーグ・モデルJ(191.5km/h)

1920-1929 | Duesenberg Model J

かつてアメリカにあった高級車メーカー、デューゼンバーグ・モーター社が製作。1928年に作られた「モデルJ」はインディアナ州で生産、当時の世界最速車だっただけでなく、ロールスロイスをライバルとする”世界最高級車”として作られた。

【1930年-1939年】デューゼンバーグ・モデルSJ(225.3km/h)

1930-1939 | Duesenberg Model SJ

この年代も、トップはデューゼンバーグ。1932年に登場したモデルSJは、スーパーチャージャーを搭載し、最高速度225.3km/hを発揮。スペシャル仕様車の最高速度は、273km/hに達した。1990年まで、24時間のアベレージスピード最速記録を保持。性能の高さは、折り紙付きだったのだ。

【1940年-1949年】ジャガー・XK120(202.7km/h)

1940-1949 | Jaguar XK120

1948年、イギリスのジャガーが第2次世界大戦後に初めて生産・販売したスポーツカー。「XK」は、1980年代まで生産された直列6気筒エンジンの型式名で、そのエンジンを初めて搭載したのがこのクルマだ。最高速度は202.7km/hを発揮した。

【1950年-1959年】アストンマーティン・DB4 GT(246.2km/h)

1950-1959 | Aston Martin DB4 GT

イギリスのアストンマーティン社で生産した「DB4」の高級バージョン。イタリアで行われたボディデザインは、流麗そのもの。最初のボンドカー(ご存じスパイ映画『007』のジェームス・ボンドの愛車)である、「DB5」の前身となるモデルだ。

【1960年-1969年】フェラーリ・365GTB/4デイトナ(280km/h)

1960-1969 | Ferrari 365 GTB:4

V12気筒エンジンをフロントに搭載した「デイトナ」。今でもクラシック・フェラーリの名車として名高いクルマだ。ちなみに、当時のライバル車であるランボルギーニ「ミウラ」の最高速度は275.1km/h。

【1970年-1979年】フェラーリ・GT4ベルリネッタボクサー(281.6km/h)

1970-1979 | Ferrari GT4 Berlinetta Boxer

マンガ『サーキットの狼』でもおなじみだったスーパーカー。当時、ライバルであったランボルギーニが、”カウンタックは321.8km/h出る”と宣言したが、様々な自動車雑誌などのテストによると、実際、それほど速くはなかった。フェラーリも、この「BB(ベルリネッタボクサー)」で”302.5km/hは出る”と主張するものの、これも実証はできなかった。だが、「BB」は280〜281.6km/hは出ることを、各雑誌のテストなどが証明。よって、この年代の最速王であることは間違いない。

【1980年-1989年】フェラーリ・F40(325km/h)

1980-1989 | Ferrari F40

当時、ポルシェ「959」が”世界最速”をうたってデビューしたが、最高速度は200mph(約321.8km/h)に至らなかった。その意味で、「F40」は、市販車で最初に200mphを超えたクルマということになる。

【1990年-1999年】マクラーレン・F1(386.2km/h)

1990-1999 | McLaren F1

フォーミュラー1の名門チーム、イギリスのマクラーレンが作ったロードゴーイングカー、公道を走れるスーパースポーツカーだ。最高出力は636ps、排気量6.1LのV12エンジンを搭載。その流麗なスタイリングも当時かなりの注目を浴びた。

【2000年-2009年】シェルビィ・SSC エアロ(431.3km/h)

2000-2009 | Shelby SSC Aero

アメリカのシェルビィ・スーパーカーズ社が生産するスーパーカー。6.3LのV8ツインターボエンジンは、最高出力は1287馬力を発揮する。2007年には、市販車の最速記録を叩き出し、ギネス記録にもなった(記録は2回の走行記録の平均412,28km/h)。

【2010年-現在】ヘネシー・ヴェノムGT(434.5km/h)

2010-Current | Hennessey Venom GT

アメリカのチューニングメーカー、ヘネシーパフォーマンスが製作しているスーパーカー。ロータス「エキシージ」をベースに改良を加えたボディに、1,244馬力を発揮する7L・V8ツインターボエンジンを搭載する。2013年には、0-30km/hまでの加速タイムで、13/63秒を記録。2シーター量産車のギネス記録を樹立した。2014年には、ケネディ宇宙センターで270mph(434.5km/h)という、ギネス記録を持つ「ヴェイロン」を超える速度を記録。が、生産台数などがギネスの規定に合致していなかったため、ギネス認定はされなかった。いわば”無冠の最速王”だ。

参考 – The Fastest Car of Every Decade Since Cars Were Invented(THRILLIST)

平塚直樹

平塚直樹

バイクやクルマ系雑誌の編集を経て、フリーライターに。最近は、チャリから宇宙ロケットのネタまで幅広く執筆中。愛車は隼。最新テクノロジーと映画、猫好き。