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ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

現在開催中の「東京モーターショー2015」で、ホンダが市販予定車として出展しているのが、新型FCVの「クラリティ・フューエル・セル(CRARITY FUEL CELL、以下クラリティ)」だ。

FCVとは、ご存じの通り、燃料電池車のこと。水素と酸素の化学反応で電気を作り電動モーターで走る次世代ビークルで、ガソリンを燃やさないため排気ガスはゼロ。排出するのは水だけという、今最も注目を浴びているエコカーのひとつだ。

市販FCVとしては、トヨタのMIRAIに続くものだが、後発なだけにそのクオリティには注目。早速その特徴を紹介しよう。

 

燃料電池パワートレインは全てボンネット内に

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】
「クラリティ」の最も注目すべき点は、燃料電池パワートレインの搭載位置だ。

水素と酸素から電力を発電する燃料電池スタックや発電システムなどを、可能な限り小型化することに成功。燃料電池パワートレインも3.5L・V6エンジンと同等の大きさにすることで、世界で初めてセダンボディのボンネット内に搭載している。

 

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

これにより、大人5人がゆったりと座れる居住空間を実現。4人乗りのトヨタ・MIRAIに対し、インテリアの自由度はかなり高いと言える。

 

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

また、バッテリーや水素タンクを効率的に床下へ配置できるプラットフォームも新開発。トランクルームを大容量にするなどで、普通のガソリン車と遜色がない使い勝手のよさを実現している。

 

ためた電気を持ち運べる

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

「クラリティ」のもうひとつの注目点は、これもホンダが開発した外部給電器「パワーエクスポーター9000」と組み合わせることで、クルマのバッテリーに蓄積した電気を、家庭用電気機器などの電源として使うことができることだ。

通常、クルマで使う電気は直流、それを家庭で使う電気機器用の交流に変えることができるのが外部給電器。しかも、ホンダの「パワーエクスポーター9000」は、一般的な発電機と同等のサイズなので、クルマのトランクなどに入れて持ち運ぶことも可能だ。

 

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

災害などで停電した際に非常用電源として家で使ったり、被災地の救助用としてクルマと一緒に現地で使うこともできる。また、キャンプなど、アウトドアでも超便利。クルマを“走る蓄電池”として使うことで、新しい用途や楽しみ方ができるのだ。

 

パワーは130kW、価格は766万円

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

「クラリティ」に採用されている高出力モーターは、最高出力130kWを発揮する。モーターなので当然ギヤの変速がなく、低回転から最大トルクを発生するため、ストレスなくパワフルな加速が味わえる。スポーツとノーマルのモード切替も可能で、走りの性能も充実。また、モーター車ならではの高い静粛性も魅力だ。

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

一回の水素充填で走れる航続距離は700km。充填時間は3分程度という、ガソリン車並みの実用性も実現。価格は766万円と、MIRAI(723万6,000円〜)よりやや高め。

 

ホンダの市販FCV「クラリティ」は、ゆったり5人乗りの”走る蓄電池”【東京モーターショー2015】

ボディカラーは、ホワイトとレッド(いずれもルーフはブラック)、ブラックの3色。

発売は、まず2016年3月にリース販売を開始し、徐々に一般販売も行う予定だ。

 

参考 – HONDA

Writer: 平塚直樹

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