クレイジーケンバンドの歌詞にも登場するいすゞ「べレット」について勉強しよう!

クレイジーケンバンドの歌にも登場する、いすゞの「BELLETT(べレット)」という車をご存知だろうか?

スカイラインが台頭する前はサーキットを席巻し、日本でははじめてGT(グランツーリスモ)を名乗ったモデルも存在する、スパルタンな国産車のことである。ここではそんないすゞのべレットについて語ってみようと思う。

見た目は妙にスペイシーという表現がベスト!

クレイジーケンバンドの歌詞にも登場するいすゞ「べレット」について勉強しよう!

ベレットは、日本のいすゞ自動車が、1963年から製造した小型乗用車だ。外観スタイルは卵の殻をモチーフにデザインされたとのことだが、正直、べレットを見て卵の殻を連想することは難しいと思われる。好みは別れると思うが、独特なデザインとスパルタンな雰囲気とを持ち合わせた、不思議な外観だと思う。

ちなみにクレイジーケンバンドのケンさんは「妙にスペイシー」と表現している。筆者も言い得て妙だと同意しよう。

スポーツモデルは日本初のディスクブレーキを採用!

べレットは技術者主導で設計製作が行われたこともあり、当時の様々な新機軸が取り入れられている。スポーツモデルにおいては日本初のディスクブレーキを採用し、四輪独立懸架による路面追従性の良さと鋭いハンドリングとを兼ね備えた破格の運動性能がウリの一つであり、「和製アルファ・ロメオ」との異名もとった。なお、日本で初めてGT(グランツーリスモ)を名乗ったモデルを設定したのもべレットである。

モデルは多岐に及んでいた

駆動方式はFR。エンジンはガソリンエンジンモデルとディーゼルエンジンモデルが存在し、ガソリンエンジンモデルには1,300cc、1,500cc、1,600cc 、1,800ccで、OHV、SOHC、DOHCの各種グレードが設定されていた。

サスペンションには前輪にダブルウィッシュボーン、後輪はダイアゴナルスイングアクスルという組み合わせを採用。コーナリング時のテールスライドが激しく、ピーキーな運転を好む層には好評だったが、同時に横転しやすいという欠点があった。

トランスミッションは当時の標準仕様よりも1段多い4速MTを基本としていたが、1965年には3速ATも採用された。また、コラムシフトとフロアシフト 、ベンチシートとバケットシート、ドラムブレーキとディスクブレーキをそれぞれ組み合わせたモデルを用意したワイドセレクションとなっていたのも特徴の一つである。

べレット1600GT登場

1964年にはPR20をベースにレース技術をフィードバックしたGT、通称「ベレG」が登場。エンジンは高トルク形ツインキャブ1,600ccOHVを新規に設計、車体もリアウインドウ部分が流線型となり、車体高もサルーンと比較して40mm低下した。路上最高速度は170km/h。日本最初のGT(グランツーリスモ)モデルとなった。

GT-Rはスカイラインだけじゃない! べレットにも「GT-R」はあったのだ!

べレットGT-R…正式名称は「GT typeR」である。1969年8月の鈴鹿12時間耐久レースで優勝を飾ったベレットGTXをプロトタイプとする、「ベレG」の中でも最上位モデルのことを指す。エンジンを117クーペ用の1,600ccDOHCに換装、サスペンションを前後輪とも強化スプリングとし、ブレーキにサーボを追加するなどサーキットでの技術をフィードバックが成されている。まさに最上位モデルに相応しい、スパルタンなべレットのモデルである。

車体は太陽光反射を抑えるため黒のボンネットが採用され、2分割されたフロントバンパーの間にフォグランプが装着されている。路上最高速度は190km/h。生産総数は1,400台程。

べレットも時代の波には勝てず…

路面追従性と高速巡航性能を両立させ、様々なラインナップを誇ったべレットだったが、市場の期待に応える抜本改良がなされないまま長期生産が続き1970年代に入ると販売実績が低迷。追い打ちをかけるかのように自動車排出ガス規制もあり、ついに1973年に生産終了となった。総生産台数は170,737台。うちGTは17,439台だったという。

いまべレットのオーナーになるには

現在、いすゞのべレットを入手するのはなかなかにして難しいと思われる。状態やモデルを考えなければ三桁万円台前半で取り扱われている場合もあるが、GTやGT-Rともなると、途端にASKの三文字となってしまう。下手な外車の旧車やよりも、国産旧車のほうがパーツが手に入りにくいこともあり、購入しても維持するにはかなりの労力と資金力が必要になると思われる。それでも購入したいという方に注意したいのは、べレットは有鉛ハイオク車なので、くれぐれもレギュラーを給油しないように! ということであろうか。

筆者も好きな車種だけに、オーナーになるという方にはエールを送りたいと考えている次第だ。

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画像 – Flickr : JOHN LLOYDsv1ambo

センカクダイバー

センカクダイバー

悲運の元パチンコ・パチスロライター。ベスパ歴27年、ミニクーパー歴2年のモッズ系猛禽類。旧車を好むクセに機械イジりや整備はサッパリというご都合主義者。