オープン2シーターの代表とも言えるライトスポーツカー「MGB」

暑い季節がやってきた。こんな時は本肉体的にはクーラーの良く効くハイブリッド車で走るのが一番なのだろうが、精神的にはバイクもしくはオープンカーで突っ走りたいと考えるのは筆者だけだろうか? まぁ、こじつけのような書き出しはさておき、オープンカーと言えば巨大なアメ車もステキだが、2シーターのライトスポーツカーも悪くない。最近、ホンダから「ビート」の後継機である「S660」も登場したことだし、ここでは元祖ライトウェイトスポーツカーの代名詞的存在である「MGB」を紹介したいと思う。

クラシックカー(ビンテージカー)の入門車種

オープン2シーターの代表とも言えるライトスポーツカー「MGB」

「MGB(エムジービー)」は、イギリスのスポーツカーブランドである「MG」の主要車種の一つで、1962年に発表され、1980年まで製造されたロングセラー車種であり、シリーズ全体で実に52万台以上も製造・販売された、2ドア・オープンカー…いわゆる”ライトウェイト・スポーツカー”の代名詞的存在である。

現在では比較的、安価で購入でき、なおかつ、比較的、扱いやすいことも相まって、クラシックカー(ビンテージカー)の入門車種として認知されることも多いようだ。

「MGA」の後継車種として開発され大ヒットを記録

同社の人気モデルだった「MGA」の後継車種として開発され、エンジンや足回り等の基本設計の一部をMGAから引き継いで設計されたが、ボディがラダーフレーム式からモノコック式に改められた他、多くの部分で改良が進み、より近代的で高性能な車として開発された。軽快なハンドリング特性や、高い信頼性、単純な機構による維持のし易さ等から瞬く間に人気を博すこととなる。

1974年のモデルチェンジにより印象はガラっと悪くなった

オープン2シーターの代表とも言えるライトスポーツカー「MGB」

英国車らしいスマートな外観も相まって人気を誇ったMGBだが、ロングセラーモデルだけあり、他の欧米メーカーの車と同様、毎年改良が行われ、マイナーチェンジも積み重ねられた。1967年には「MarkⅡ(メーカー自身は公には使用していない名称)」に、そして1969年には「MarkⅢ」へと名称も変更された。

これらのマイナーチェンジはMGBの雰囲気を壊すことのない変更だったが、1974年の変更がマズかった。アメリカ合衆国の衝突安全関連の法令を満たすため、前後に衝撃吸収機能を有し、内部に鋳鉄製のフレームが入っているポリウレタン樹脂製バンパーを装着するという、MGBの外観をぶち壊すような大幅な仕様変更が施されたのだ。通称「ウレタンバンパーモデル」の誕生である。

“ウレタンバンパーモデル”が致命傷となり1980年に生産中止となった

1970年代以降はMGBの主要なマーケットであった北米では日産のフェアレディZや、欧州製スポーツカーとの競合に悩まされ、また「ウレタンバンパーモデル」への大幅な外観デザインの変更などにより、スポーツカーとしての魅力を徐々に失っていき、1980年10月をもってMGBは生産を中止、アビンドン工場も閉鎖されることとなった。

MGBの後釜的存在はユーノスロードスターだった?

MGBの生産が終了してからしばらくし、日本から、ユーノスロードスターというクルマがデビューする。元々、ヨーロッパではオープン2シーターというカテゴリーが人気だったのだが、MGBの生産終了後、1989年当時ヨーロッパではそのカテゴリーの担い手が不在だった。そこに、シャシーから専用設計の本格的ライトウェイトスポーツカーとしてユーノスが登場するや大ヒットとなり、ヨーロッパの自動車メーカーは改めてオープン2シーターというカテゴリーを見直したとされている。

現在でもMGBを維持することは比較的容易だ

最終モデルの生産終了から30年以上が経過し、MGBもクラシックカーの域に入りつつあるが、比較的単純な構造で、なおかつ販売された台数が極めて多かったこともあり、クラシックカーの中では比較的、維持するのがラクな車だとされている。また、モノコックボディを含む殆どの部品の再生産も行われていることなども、クラシックカー(ビンテージカー)の入門車種と言われる所以となっている。

極めつけは、V8エンジンへの換装すら可能である。もし、MGBに興味があり、購入したいと考える方には素直にオススメしたい車種である。上記したが、購入費用もクラシックカー(ビンテージカー)としては比較的安価だ。特に不人気モデルの「ウレタンバンパーモデル」なら二桁万円台での購入も可能だろう。そしてバンパーの換装もそれほど難しくはない。

クレイジーケンバンドの歌にも出てくるMGB(歌詞ではMGとしか言ってないが、おそらくMGBのこと)。柴田恭兵も乗っている(らしい)MGB。様々な魅力を秘めた、オープン2シーターのオーナーになれる方には、ぜひともなって貰いたいものである。

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画像 – Flickr : Bryan JanesMichael Gilnakhon100

センカクダイバー

センカクダイバー

悲運の元パチンコ・パチスロライター。ベスパ歴27年、ミニクーパー歴2年のモッズ系猛禽類。旧車を好むクセに機械イジりや整備はサッパリというご都合主義者。