BMWが電気自動車(EV)「i3」をフルモデルチェンジして新型を発表しましたね! 航続距離が大幅に伸びて「1回のフル充電で東京大阪間をクリア」なんていう刺激的なタイトルの記事も散見されました。
そこで今回、日本を代表するEVである日産「リーフ」と、新しくなったBMW「i3」を主に経済的な視点から比較してみました。軽い気持ちでお読みいただけたら幸いです。
日産リーフの概要
2010年に発売が開始された日産「リーフ」。その姿を見掛ける機会は明らかに多くなりましたね! 空力を考慮された美しいデザインのエクステリアを採用しています。乗車定員は5名、車両重量は1,450kgです。
「リーフ」には3グレードあり、それとは別に30kWh大容量駆動用バッテリー搭載車と24kWhバッテリー搭載車がありますが、ここではベーシックな「S」、30kWhバッテリー搭載車を対象として話を進めます。
実際に乗車するに当たり気になる航続距離は280kmです。
BMW i3の概要
コチラが新しいBMW「i3」。まだ日本で見掛ける機会は多くありませんが、BMWらしい力強いエクステリアを有するコンパクトEV。乗車定員は4名ということで日産「リーフ」より1名少なく、車両重量は1,300kgと日産「リーフ」より150kg軽くなっています。
新モデルのスペック詳細が未発表なので断言できませんが、旧モデルとの比較では「i3」の方が全長300mm以上は短いです。
「i3」も3モデルあり、各モデルに対してレンジエクステンダー(発電用エンジン)搭載モデルが存在します。東京大阪間をカバーする航続距離500kmと謳われたのは、このレンジエクステンダー搭載モデル。が、これはEVモデルの中では反則的航続距離であると判断し、ここでは「ATELIER」レンジエクステンダー搭載なしモデルで話を進めます。
それでも、この「ATELIER」レンジエクステンダー搭載なしモデルの航続距離は390kmと「リーフ」よりも110kmも長いです!
パワートレインとシャシー
「リーフ」はリチウムイオンバッテリーを床下に、車載充電器やDC/DCコンバーターを一体化した小型で軽量なパワーデリバリーモジュールと、モーター&インバーターをフロントに搭載することで、乗車定員5名分の車内スペースを生み出しています。
一方の「i3」はバッテリーが床下にあるのは「リーフ」と同様ですが、パワートレインはリアに配置されています。
「i3」の面白いところは、LifeDrive(ライフドライブ)構造と呼ばれる基本構造コンセプト。パワートレインなどを収めるアルミニウム製ドライブモジュールと、乗員などが搭乗する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製ライフモジュールにより構成されています。これによって、リーフより150kgも軽量な車体を実現しています。
ランニングコストに影響する電費は?
次は電費(燃費でなく!)について調べてみましょう。当たり前ですが、電費が良ければランニングコストが安くなります。その値は…、両車ともに6km/kWhと互角でした!
電費とは、バッテリーの「1キロワットアワー(kWh)あたりの「走行距離」を示す指標のこと。実際の数値は使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて異なります。
気になるお値段は…
ということで、最後に価格を比較してみます。
「リーフ S」(30kWhバッテリー搭載車)は、車両本体価格319万7,880円(税込)。補助金を活用すれば、286万7,880円となります。むむっ、かなり現実的です。
「i3 ATLIER」(レンジエクステンダー搭載なし)は、車両本体価格538万9,200円(税込)。補助金を活用すれば、502万4,200円となります。ぐっ…高い!
ちなみに補助金の金額は、次世代自動車振興センターのウェブサイトに記載された値を基に算出しています。
結論
かなりザックリですが、まとめると…
- 乗車定員:5名 vs 4名で日産「リーフ」に軍配
- 航続距離:280km vs 390kmでBMW「i3」に軍配
- 価格:286万7,880円 vs 502万4,200円で日産「リーフ」に軍配
となりました。
実際のクルマ選びにあたっては、実用面だけでも充電時間やラゲッジスペース、それに安全装備や快適装備などなど、いろいろ検討が必要です。もちろん「ブランドの好み」も影響すると思います。
今回は日産「リーフ」とBMW「i3」を比較しましたが、テスラ「モデル3」やシボレー「ボルトEV」のリリースも予定されています。航続距離だけに目を奪われることなく、自分の乗り方を振り返りつつ色々な面から検討してみてくださいね。