ヨーロッパを中心として日本でも、EVを見掛ける機会が増えていますね。
日産「リーフ」やBMW「i3」のような既存自動車メーカーのほか、突き抜けているテスラを筆頭に……
このようにスタートアップ企業がチャレンジングなEVを続々と発表しています。
なのですが、EVに付きまとってしまう”航続距離と充電時間”の問題。ガソリン車と同じように400kmも500kmも走れて数分で充電が完了する、というのが理想ですが、現実は未だ遠いのはご存知の通りなのです。
走行中に充電できる新システムを開発!
ところが……ルノーと”Qualcomm Technologies”、それに”Vedecom”が共同開発したという、驚きの新システムが発表されました。それが”Dynamic Wireless Electric Vehicle Charging”、略してDEVC。なんと、時速100km/hで走行中に最大20kWで非接触にてEVを充電できるというのです。
このDEVCについて、ルノーおよび共同実験2社は「単なる実験としてだけでなく、社会実装される前提で設計したシステムである」と説明しています。
今回のデモンストレーションで供された車両はルノーがヨーロッパで販売しているEV「カングーZ.E.」。ご存知の方も少なくないと思いますが、ルノーがヨーロッパで市販しているEVです。日本でも販売して欲しいですね!すみません、脇道にそれました……
さて今回の実証実験は、パリ近郊の”Vedecom”が製作したテストトラックにて行われ、両方向(行って来い、という意味)で充電が成功した、と発表されました。
今回の3社による共同研究は、FABRICプロジェクトと呼ばれるEUからの助成を受けたプロジェクトの一部として実現したもの。2014年1月にスタートして、2017年末まで継続される予定です。DEVCシステムは今後Vedecomに引き継がれて、同社によりFABRICプロジェクトの一環として実験が続けられます。
操作性とエネルギー電圧効率、充電するクルマの識別、クルマとトラックのパワーレベル、トラック上における車速とアライメントなどが、実験のテーマとなる模様であり、まだまだ研究は始まったばかり、という感じです。
ちなみにFABRICには、EU9カ国から25社のパートナーが参加しています。パートナーの顔ぶれは、自動車メーカー・部品メーカーはもちろんですが、研究機関、道路等のインフラ会社に電子電機系メーカーなど、多士済々。彼らが一丸となって、非接触のDEVCの実現可能性を探っているわけです。
インフラコストや充電能力を考慮すると、まだまだ社会実装の可能性は不明ではありますが、走行中に充電できたら、それは確かに素晴らしい!こんな技術が実現する日が来たら嬉しいですね!