前回ご紹介した「睡眠時無呼吸症候群」の患者による衝突事故は日本全国において後を絶たない。そんな中、2016年3月21日、米国睡眠学会のHPにて、睡眠時無呼吸症候群と衝突事故との関連性についてまとめた研究報告が公開された。
トラックドライバー3,000人以上が研究対象
今回、研究の対象となったのは、睡眠時無呼吸症候群を発症したトラックドライバー1,613名と、同程度のトラックドライバー歴を有し、睡眠時無呼吸症候群にかかっていない同数のトラックドライバー。睡眠時無呼吸症候群患者においては、病院にてPAP治療を実施し、自宅および路上にてデータをとってもらった。
治療を受けなかったトラックドライバーは事故のリスクが5倍に!
研究結果を簡単にまとめると以下の通りである。睡眠時無呼吸症候群を発症しているにもかかわらず、PAP治療をきちんと受けなかったトラックドライバーは、睡眠時無呼吸症候群を発症していないトラックドライバーに比べ、衝突事故のリスクが5倍にも及んでいたという。一方、睡眠時無呼吸症候群を発症しており、少しでも治療を行った人の事故発生率は、睡眠時無呼吸症候群を発症していない人とほぼ同程度であることが統計学的に認められた。
睡眠時無呼吸症候群に見られる症状
一般に、睡眠時無呼吸症候群になると、次のような症状が出ると言われている。
- 大いびきをかく
- 睡眠中に呼吸が停止する
- 呼吸が浅くなり、突然目が覚める
- 目が覚めた時に口が渇きや喉の痛みを感じる
- 朝、頭痛がする
- 夜ぐっすり眠れない
- 日中、眠気に襲われる
- 注意力が散漫になる
- イライラする
以上の症状に心当たりのある方は、睡眠時無呼吸症候群である可能性が高いため、一度病院の睡眠外来などにて診てもらうのがよいだろう。そして、病院の医師より睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には、自動車の安全走行のためにも、医師の指示を仰ぎ、きちんと治療を受けることをお忘れなく。
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参考 – 米国睡眠学会
Writer:
N.O