2009年にインドの自動車メーカー「タタ・モータース」が発売した、超低価格のコンパクトカー「ナノ」。鳴り物入りで登場したこのナノは各方面で大きな話題を巻き起こしたが、販売台数は2012年のピーク時でも75,000台しか出荷できず、毎年販売台数が落ち込み苦戦中だ。今回は、そんなナノのハンドリングテスト動画をご紹介したい。
インド国民の足”バイク”に代わるクルマを!
インド国民の足といえば、やはり低価格という面でバイクであった。その実情に風穴をあけるべく登場したのがタタの「ナノ」というわけだ。新車でも11万2,735ルピー(約22万円)で購入可能というだけあって、当時は話題騒然であった。
また、車両重量は600kgと非常に軽量かつコンパクトでありながら、4人乗りである点も高評価だった。ただ一つ難点といえば、やや非力なエンジンであるというくらいだ。
軽量ということはハンドリングも優れている…はず…
本来、車両重量が軽ければ、ハンドリング性能も良いであろうと考えるのは普通である。そんな非常に軽量なナノのハンドリングテストを試みた動画があるので、ご覧いただきたい。
大人4人が乗り込み、40km/hくらいであろうか、それほどスピードを出すわけでもなくUターンを試みた。その瞬間!
あっけなく横転した…。
これは、日本の自動車メーカーであれば即リコールであろう。いや、どの国のメーカーであってもリコールだ。
簡単に横転するほどチープなのも問題だが…
先ほどのハンドリングテストでご覧頂いた性能面の不安もそうだが、ナノが不振な原因は他にある。
タタ・モーターズの名誉会長ラタン・タタ氏によると、「一番”お手頃”なクルマではなく、一番”お買い得”なクルマでもなく、一番”安い(チープ)”なクルマという不名誉なイメージが付いてしまった。」と。つまり人々は、一番チープなクルマに乗っているところを見られたくはないということが不振の最大の原因だと語っている。
ナノの不振で心が折れてしまうほど、タタ氏の信念は弱いものではない。今でも「誰にでも手が届くクルマを提供したい」と、闘志を燃やしているのだ。そんなタタ氏に、ある方の名言を送りたい。
がんばっていれば、いつか報われる。持ち続ければ、夢はかなう。そんなのは幻想だ。たいてい、努力は報われない。たいてい、正義は勝てやしない。たいてい、夢はかなわない。そんなこと、現実の世界ではよくあることだ。けれど、それがどうした?スタートはそこからだ。技術開発は失敗が99%。新しいことをやれば、必ずしくじる。腹が立つ。だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。さあ、きのうまでの自分を超えろ。きのうまでのHondaを超えろ。
負けるもんか。 - 本田宗一郎
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画像 – Flickr : Nadir Hashmi
参考 – Youtube : Tata Nano crash during handling test – not really a stable car