トヨタがまたしても、”ギミック満載がウリ”の小型SUVコンセプトを発表しました。
そう聞けば、今春トヨタがニューヨーク国際オートショーで発表した……
コチラの「FT-4X」を思い出す方が多いことと思います。
「FT-4X」は、アウトドアシーンを中心にクルマの新しいあり方を提案する小型SUVベースのデザインコンセプト。アメリカにおいて「手軽さ」や「カジュアルさ」を好み、思い立ったらすぐにアウトドアに出かけたい都市部在住の「ミレニアル世代」(30代半ばまでの若者世代)をターゲットに想定。
そんな同車は”ギミック満載”がウリ。サイドミラーに搭載した小型カメラや取り外し可能なライト&オーディオなどが、それでした。
トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーのプラットフォームを採用し、4WD性能も搭載しますが、都市型生活者に向けた”SUVルック”車であると解釈できました。
「FT-AC」は本格派アウトドアマン向け!
さて、今回発表された「FT-AC」は、山岳地帯でのキャンプや川下り、マウンテンバイク走行など、本格アウトドア活動を楽しむユーザーがターゲット! アクティブな休日の過ごし方を提案するデザインコンセプトとして企画されています。
具体的には、「ランドクルーザー」などトヨタSUVの伝統を踏襲した力強く大胆なデザインとSUVならではの悪路走破性に加えて、取り外し可能なフォグランプやサイドミラー付属のカメラのほか、撮影映像をクラウドにアップロードする車載Wi-Fiなどを装備することで、アウトドアをいっそう楽しくするようなクルマを目指しています。
拡幅したフロントグリルと側面まで回り込んだLEDヘッドライトが特長となるフロントスタイリングのほか、ロングホイールベースとワイドフェンダーに20インチホイールを装着し、SUVらしい力強く大胆なスタイリングを強調。
最低地上高の高さに加え、フロントとリヤにアンダーガードを装備することで、多彩な「冒険」を可能にする悪路走破性を表現しているそうです。
ボディカラーには、鮮やかなグリーンとグレーの2色のコントラストを出すことで、アウトドアにおけるアクティブさを表現しています。
パワートレーンはガソリンエンジンを想定。ドライブトレーンにはトルクベクトル式4WDシステムを設定して、最適なトラクションコントロールにより路面に応じたセッティング切替機能やデファレンシャルロック機能を可能とします。これにより四輪の最適なグリップ制御を行い、優れた操縦安定性とダイナミックな走行性能を実現。
また、低燃費と4WDシステムの走破性を両立した次世代ハイブリッドパワートレーンの搭載も想定しているそうです。
「FT-AC」はギミック満載!
アウトドアに必要なアイテムを搭載するルーフラックには、モバイル端末で調光可能なLEDライトを装着しています
ライトは、夜間や悪天候時の走行をサポートするだけではなく、サイドミラー付属の赤外線カメラのフラッシュとしても使用可能。フォグランプは取り外しが可能な仕様であり、懐中電灯やマウンテンバイク用ライトとしても活用できるのだそうです。
トヨタのギミック攻勢は続きます……
マウンテンバイク搭載用にと、ご丁寧にも、格納可能なラックをリヤに装備しているほか……
サイドミラーには取り外し可能な小型カメラを装着しています。これは「FT-4X」と同じですね。
撮影データは、車載Wi-Fiからクラウド上のストレージに自動でアップロードし、スマートフォンなどのモバイル端末からリアルタイムでの写真・動画の編集やSNSへの投稿を可能。車両の位置情報を発信することで、「FT-AC」をベースキャンプとした周辺探索を安心して楽しめるようにする、といいます。
本格派アウトドアマンは「FT-AC」を欲しいか?
本格派アウトドアマンに向けたギミック満載の小型SUVコンセプトカー「FT-AC」。4WD車としての基本性能に言及している点は高評価です。
一方で、こうしたギミックって「アウトドア好きにとっては不要なのでは?」と感じるのも事実。本格派でなくてもアウトドアマンは、それぞれが好みに応じて工夫する習性があります。
特に”本格派”に向けた車両なら、積載性&耐水性の高いカーゴスペース、防水効果が極めて高い内装など、アウトドア基本性能の高い車両にして欲しいと思うわけです。幾らマーケティング上の表現とは言え、コレが本格派アウトドアマン向けとは……アウトドア好きの皆さん、どう思いましたか?