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「自動車専用」の標識に似すぎているクルマとは!?

「自動車専用」の標識に似すぎているクルマとは!?

交通標識の「自動車専用」という規制標識を見ていると、とある車を連想してしまった。恐らく、偶然だとは思うのだが、あまりにもその車の特徴を捉えているので、その車について紹介したい。

 

日本の交通標識に似ている車は日本車ではなかった!

「自動車専用」標識に似ている車とは日本車ではなく、イギリス車の「バンデン・プラ・プリンセス」という車種である。TVドラマ「刑事貴族2」で水谷豊扮する本城刑事の愛車だったと言えば通じるだろうか? ちょっと苦しいかもしれない。また、いしだあゆみもオーナーだったという。果てはアン皇女までもがお乗り遊ばされていたという、超がつくほどの高級車なのである。

 

ミニクーパーの後継車種として誕生

「自動車専用」の標識に似すぎているクルマとは!?

バンデン・プラ・プリンセス(以下パンブラ)は1962年にミニの後継車としてリリースされたADO16の中の一車種だ。ADO16はバッジエンジニアリングという同じボディーの車を様々な販売網で売るという手法で造られ、兄弟車にはオースティン、モーリス、ウーズレィ、ライレー、MGが存在する。

 

小さなロールスロイス、「ベビーロールス」と呼ばれていた高級車

ミニの後継車種ということでもわかるように、バンプラは非常にコンパクトな車体の小型車だ。しかし、高級車ブランドであったバンデン・プラには、大衆車ブランドのオースチンやモーリス、スポーツカーメーカーであったMGなどとの差別化を図るべく、思い切った高級化の手法が採られることとなった。フロントマスクには荘厳なグリル、フォグランプを装着し高級感を醸し出した。内装は、車内をモケットで覆い、ダッシュボードにウォールナットのウッドパネル、ドアトリム上端にウッドキャッピング、シートにはコノリーレザーを使用、折り畳み式ピクニックテーブルが組み込まれるなど、ショーファードリブン(お抱え運転手が運転する車のこと)を意識した設計となっていた。大型高級車の手法を全長3.7m、排気量1,100ccの小さなサルーンにそのまま持ち込んだのだ。小型車ながら優美なスタイルと豪華な内装により、小さなロールスロイス「ベビーロールス」と呼ばれるようになった。

 

バンデン・プラ・プリンセス1500でバンプラは終了となる

その後、ADO16自体のマイナーチェンジに合わせた改良が行われ、エンジンの排気量は1300ccに統一された。これに伴い、マイナーチェンジ以前のモデルをMk-I 、それ以降を Mk-II と呼ぶようになる。そして最終型となる Mk-III の生産が終了したのが1974年のこととなる。Mk-III の生産終了後、バンデン・プラ・プリンセス1500がリリースされるが、フルモデルチェンジされ、バンプラらしい特色にも乏しかったこともあり、不人気車のまま販売終了となる。これが「プリンセス」を冠した最後のモデルとなった。

 

バンプラの購入を考えるなら

現在、バンデン・プラ・プリンセスの中古車相場を調べるとフルレストアを施された車両で300万円いかないくらい、程度上でも150万円前後、お安いモノなら50万円前後と、金額の幅は広いものの、いずれも比較的、安価での購入が可能だ。エンジンがミニと同じだったこともあり、パーツにもそれほど困らずに乗れることだろう。高級車だったこともあり、ミニとは違いクーラーも装備されたバンプラ。「ベビーロールス」とまで呼ばれた高級車のオーナーになるのも悪くないのではないだろうか?

 

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画像 – Flickr : John Morris、Wikimedia : Monaneko

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