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ドライバー要らず!? ボルボと配車サービスのウーバーが目指す自動運転ハイヤー

ドライバー要らず!? ボルボと配車サービスのウーバーが目指す自動運転ハイヤー

ハイヤーの配車サービスを世界各国で展開する「Uber(ウーバー)」。タクシー業界の革命児として、世界各国のタクシー業界を根底から覆す同社が、スウェーデンの高級車メーカーであるボルボ・カーズと、次世代の自動運転車の開発において提携するとの発表がありましたので、ご紹介いたします。

 

ウーバーって何?

ドライバー要らず!? ボルボと配車サービスのウーバーが目指す自動運転ハイヤー

まずUber(ウーバー)とは、2009年にアメリカで設立された自動車配車サイト&アプリです。日本でも2013年のトライアルサービスを経て、2014年8月より東京都内全域でサービスを開始しており、単純明快かつ便利なサービスが好評なサービス。

従来までのタクシーと明確に異なる点は、圧倒的な使い勝手の良さ。アプリに行き先を入力すれば、運転手の到着時間や料金の目安が示されるほか、到着時にアプリを通じた到着電話連絡、事前登録済みクレジットカードによる自動支払いなど、今までタクシー利用の常識とされていた不便な部分が全て解消されたサービスなのです。

また、アプリは世界共通のため、外国人が運転手とのコミュニケーションで戸惑うこともありません。

 

ボルボとウーバーが自動運転車の開発に300億円出資

そんな飛ぶ鳥を落とす勢いのウーバーがボルボと、ドライバーレスの完全な自動運転までを含む、最新の自動運転テクノロジーの開発に対応できるよう、新しいベース車両を開発するジョイントプロジェクト立ち上げの合意に達しました。

このベース車両はボルボによって生産され、ウーバーがボルボから購入します。なお、ボルボとウーバーはこのプロジェクトに3億ドル(約300億円)を出資しているとのこと。

なお、ウーバーとボルボは、同一のベース車両を両社の自動運転車戦略の次のステップとして活用するとしています。これはウーバーが自社開発した自動運転システムをボルボのベース車両に適用し、またボルボは同じベース車両を、完全な自動運転を含む、自社の自動運転戦略の次世代車として用いるということ。まさにお互いにメリットのあるジョイントビジネスですね!

 

ボルボとウーバーのプロジェクトは、老舗自動車メーカーがシリコンバレー発のベンチャー企業と提携することであり、世界的な自動車産業が、次世代のテクノロジーの到来を受けて進化していくことを明確にしています。そして両社は、この提携が長期的なパートナーシップを視野にいれたものとしています。

ボルボのCEOホーカン・サムエルソン氏は次のように語っています。

ボルボはアクティブ・セーフティと自動運転テクノロジー開発のリーダーであり、他に類をみない安全性への信頼性を誇るブランドです。私たちは、リーディングテクノロジー企業の一つであるウーバーをパートナーとして選んだことをとても誇りに思っています。この提携により、ボルボは自動車産業のテクノロジー革命の中心となるでしょう。

 

自動運転車のベース車はボルボの最新プラットフォーム

新しいベース車両はボルボの新世代プラットフォームスケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA:Scalable Product Architecture)を元に開発されます。SPAは世界で最も先進的なプラットフォームの一つで、現在では、ボルボのトップモデルであり多くの賞を受賞した「XC90」を始め、プレミアム・セダンの「S90」、そしてプレミアム・ワゴン「V90」でも採用されています。

SPAは、ボルボ・カーズが2010年に開始した、110億ドル(約1兆円)もの投資による構造改革から生み出されたプラットフォームで、最新の自動運転テクノロジーに対応するよう、当初から準備がされていました。また、次世代の電気自動車や、コネクティビティ開発にも対応できるよう設計されています。これらの将来の変化に対応できる可能性にウーバーが着目しました。

開発作業はボルボのエンジニアとウーバーのエンジニアとの緊密なコラボレーションによって行われます。このプロジェクトはSPAプラットフォームに拡張性を与え、一般道での自動運転走行において必要とされる安全性や冗長性、またその他の新しい機能を追加することとなります。

ウーバーのCEOであるトラビス・カラニック氏も次のように語っています。

毎年100万人以上の人が自動車事故で亡くなっています。これらは自動運転技術により避けることが可能な悲劇です。しかしながら、私たち単独では実現できません。そのためボルボのような自動車メーカーとパートナーシップを結ぶことが重要なのです。ボルボは車両開発のリーダーであり、ことに安全性においてはトップクラスです。ウーバーとボルボとが協働することで、将来に向けて共により早く進化することができるでしょう。

 

ただでさえ便利なウーバーのサービスが、ドライバーレスの自動運転車を導入することによって、さらに利便性の向上と業務の効率化が図れることは間違いありません。しかし、無人化による失業や事故の賠償責任など、付随する問題も山積しておりますので、すぐ導入とはならないでしょう。

2020年、東京オリンピック開催時には、はたしてウーバー&ボルボの自動運転車が走り回っているのでしょうか。みなさんはどう感じましたか?

 

参考 – VOLVOUber

Writer: 上中達也

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