自動運転にも対応!VWの小型EVコンセプトカー「I.D.」はまるでロボット!?

“EV(電気自動車)”“完全自動運転化”は、ここ数年クルマ業界を賑わす2つの大きなキーワードですよね。そんな中、あのフォルクスワーゲンが、昨日(2016年10月16日)まで開催していたパリモーターショー2016に、これら2大ワードを具現化する小型電気自動車のコンセプトカーを初お披露目! しかも、発売時期を公言し、価格まで匂わせる本気モードの発表をしたのです。かなり注目されているので、ちょっと紹介してみましょう。

巻き返しの一発?

ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンは、ご存知の通り2015年にディーゼル車の排ガス値偽造が発覚し、話題になったのは記憶に新しいですよね。フォルクスワーゲンほどの大企業がこんなスキャンダルを起こすというのは、欧州の排ガス規制がそれほど厳しいことの裏返しとも言えるのですが、その心機一転巻き返し!を狙ったのか、今回のショーでメインとなっているのがこの「I.D.」なのです。

航続距離は最大600km!

フォルクスワーゲン初の小型電気自動車となる「I.D.」は、同社の人気コンパクトカー「ゴルフ」などと同様の、4枚ドア+ハッチバックドアの5ドアボディを採用しています。ボディサイズは全長4,100×全幅1,800×全高1,530mm。「ゴルフ」に比べ、全長は155mmショート、ホイールベースは逆に130mmロングになっていて、小柄ながら走行安定性の良さがうかがえます。

パワーユニットはもちろん電動モーターで、高電圧のリチウムイオンバッテリーを搭載。最高出力は125kW(170ps)を発揮し、0-100km/hを8秒以内、最高速度は160km/hと走行性能はなかなか。しかも、1回の充電で400〜600kmの航続距離も確保するというから驚きです。また、充電にはコードを使わない非接触方式も採用、約30分で80%のチャージができる高速充電システムを採用します。

発表通りなら、現在の電気自動車ではアキレス腱とも言える、長距離ドライブや充電時間の問題も解消しますね。

新基準を採用し2020年に販売

このモデルには、同社が新しく考案した車両コンセプト「MEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブキット)」を初採用しています。純粋な電気自動車向けに開発されたこのコンセプトは「駆動」、「スペース」、「快適性」に関する基準を再定義したもの。まぁ、トヨタの新型プリウスに採用された”TNGA”みたいなものですね。

なにが一番違うかというと、まずバッテリーをフロア下に配置。さらに、電動モーターを含む駆動系をすべてリヤアクスル(後輪車軸)に一体化したことです。これにより、一般的なクルマのようなエンジンルームなどが不要、室内空間をかなり広くとることができるのです。小さいボディに広い室内、まるで日本の軽カー的コンセプトですね。市場への投入は4年後の2020年を予定しています。

自動運転時はまるでロボット

「I.D.」は、2025年に実用化を目指している完全自動運転技術の投入も予定されています。この技術を投入するとどうなるかというと、

  1. ハンドル中央の「VW」マークを3秒間押すと自動運転モードに
  2. 自動運転時はハンドルはダッシュパネル内に収納
  3. スマホなどで離れたところからクルマを呼び出すことも可能

などいった、まるでロボットカーのようなことができるようになるとか。

また、LEDヘッドライトは、停止中や起動(始動)時、ドライバー運転時と自動運転時などで照射パターンを変更、クルマの状態が周囲の人や対向車にも一目で分かる工夫もされています。まるで、アメリカのTVドラマ『ナイトライダー』のナイト2000みたいですね(と思うおやじは筆者だけではないでしょう)。

価格もゴルフ並み!

ちなみに、自動運転モードをフォルクワーゲンは「I.D.パイロット」と呼ぶそうで、ハンドルがなくなった広々室内は「オープンスペース」というコンセプトに基づいて開発したそうです。クルマの室内をもっと自由に使おう!ってことですね。前述の駆動系のリアアクスル一体化などが、ここでも効果を発揮。

また、左右ドアは観音開き方式になるため、乗り降りのしやすさなども考慮。快適性の向上に一役買っています。

「I.D.」のプロモーション動画があるので、あわせてご覧ください。

どうです、なかなかのハイテクっぷりですよね。

そして、注目の価格。前述の通り発売は2020年で、平行して販売予定のゴルフと「ほぼ同じ」になるとのことです。こういった新コンセプトのクルマは比較的高くなることが多いのですが、ファミリーカーの「ゴルフ」と同等というのは格安かも? 今後も注目のクルマですね。

参考 – フォルクスワーゲン
平塚直樹

平塚直樹

バイクやクルマ系雑誌の編集を経て、フリーライターに。最近は、チャリから宇宙ロケットのネタまで幅広く執筆中。愛車は隼。最新テクノロジーと映画、猫好き。