一言でコンセプトカーと言っても様々ありますよね。遠い未来のあり方を提案するようなものもあれば、「●年に市販予定!」と公言する場合もあります。今回ご紹介するVW「I.D.CROZZ」クロスオーバー・コンセプトは後者。なんと2020年に市販を予定しているです!
販売台数世界一をトヨタと争うヨーロッパの巨人VWが発表した「I.D.CROZZ」とは、どんなクルマなのでしょうか?
そもそもVW「I.D.」ファミリーとは?
コチラが今回ご紹介する「I.D.CROZZ」。覚えている方も少なくないと思いますが、実はVWは最近、既にEVコンセプトカーを2台発表しており、本モデルは第3弾となります。
そこで、まずは「I.D.」ファミリーの先輩2台を先に触れておきます。
第1弾のVW「I.D.」はコンパクトEV!
その第1弾はコンパクトEVの「I.D.」。
車名の”I.D.”は、”Identity(アイデンティティ)”・”Idea(アイデア)”、”Indidividual(インディヴィジュアル;個)”・”Intelligent(知的な)”、それに”Iconic Design(アイコン的デザイン)”から取られています。
「I.D.」では、VWが新開発している車両コンセプト「MEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブキット)」を初採用。純粋な電気自動車向けに開発されたそのコンセプトは、「駆動」、「スペース」、「快適性」に関する基準を再定義したものです。
具体的には、バッテリーをフロア下に配置しつつ、電動モーターを含む駆動系をすべてリヤアクスル(後輪車軸)に一体化。これにより、小さいボディの上に広い室内空間を確保しています。
詳しくは当サイトでも過去にご紹介していますので、ソチラをご覧ください。
第2弾のVW「I.D.BUZZ」はミニバンだった!
「I.D.」に続く第2弾が、今年1月にデトロイトショーで発表された「I.D.BUZZ」。日本では「バス」と呼ばれて親しまれた「タイプ2」をモチーフとすることでVWの源流を振り返りつつ、完全自動運転のEVとして未来を見据えた新時代のミニバン、といったモデル。
この「I.D.BUZZ」も、「MEB」を採用していますが……
コチラは四輪駆動なのが「I.D.」との違いになります。
全長×全幅×全高=4,942×1,976×1,963mm、ホイールベースは3,300mmと、車格も「I.D.」と比較すると一回り上です。
「I.D.BUZZ」も過去に当サイトで紹介していますので、詳細はソチラをどうぞ!
I.D.CROZZコンセプトはクロスオーバー・モデル!
さて、お待たせしました、ようやく「I.D.CROZZ」です。
ご覧いただけば一目瞭然ですが、クロスオーバー・モデルです。VWでは、「SUVの機能性とクーぺのダイナミズムを兼ね備えた、クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル(CUV)」と表現しています。
最高時速は180㎞ / hと充分であるばかりか、航続距離500㎞、150kWの直流電源なら30分で80%まで充電が可能。
既存EVが抱える長距離ドライブへの不安を一掃する、「I.D.」ファミリー共通の魅力を保持しています。
その高性能を実現するのが、「I.D.」、「I.D.BUZZ」でも採用されていた「MEB」。本モデルは225kW(302PS)を発揮するモーターによる四輪駆動ですので、「I.D.BUZZ」に近い構成です。
バッテリーはフロア下に配置されています。前後のアクスルと駆動関連モジュールが一般的なモデルと比較して離れているため、長いホイールベースを確保することが可能となります。
その結果……
室内スペースは、ヨーロッパで販売されている「ティグアン・オールスペース」に匹敵する広さを確保。多彩なシートアレンジも可能なのだそうです。
コックピットには、「I.D.」、「I.D.BUZZ」にも搭載されていて話題になった”ARヘッドアップディスプレイ”や”アクティブインフォディスプレイ”、”インフォテイメントタブレット”などのデジタル化した操作系を搭載しています。
もちろん「I.D.パイロット」モードによる完全自動運転が可能とされています。完全自動運転の時には、ステアリングホイールはダッシュボードに自動的に格納されます。
2020年に市販化を明言!
いかがでしたでしょうか?この革新的なクロスオーバーEV「I.D.CROZZ」、冒頭にも記しましたが、VWでは2020年に市販すると明言しています。
もちろん価格にもよりましょうが、かなり魅力的なモデルだと思います。皆さんは、いかがお考えでしょうか?