ロサンゼルスの中心から約30分のところに位置する「チャッツワース」。
俗に言う”ロサンゼルス”の一番端にあり、公的機関は全てロサンゼルスに属しており、結構裕福な人が住んでいる街
ただ、通勤時間帯はいつもの渋滞で、ロサンゼルスのダウンタウンまでクルマだと1時間かかってしまう。きれいな街で犯罪も比較的少なく、地域住民に対しては色々とサービスを施しているが、この街に最近面白いシステムが導入された。
ロサンゼルスのノースハリウッドまで、オレンジラインというバスだけが通れる専用道路が開通したのだ。ちなみに、オレンジラインは2005年から運行しているのだが、最近このチャッツワースまでの延長工事が完了した。その距離は約30kmほど。
いくつかのバス専用駅と、一般道路との交差点の信号で止まる以外は基本ノンストップ。渋滞も全く無し。広々とした専用道路は一般車や自転車など一切の乗り入れが禁止されており、快適なバス路線なのだ。日本で例えるならば、路面電車に近いのかもしれない。
ノースハリウッド駅は地下鉄の駅とリンクしていて、乗り換えてハリウッドやダウンタウン、ユニオンステーション、ロングビーチなどへもスムーズに行ける。こんな便利なシステム、当然人々には好評だと思ったがどうもそんなに評判でもないようだ。通勤時間帯以外も利用者はそんなに多くなく、昼間はがらんとしている。
文化的にバスや電車を利用するのはクルマを持っていない人…つまりお金をあまり持っていない人、という考えがまだ少し残っているようだ。だから一般の人はあまり利用していないようである。
やはり、たかが30分でも移動にはクルマでしょ!というアメリカンの考えは、そう簡単には変わらないようだ。
Writer:
松並学