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町は生きている【for Rideコラム】

町は生きている【for Rideコラム】

落書きをしたことのない人ってまずいないだろう。太古の時代から人は色々な場所に落書きをしてきたに違いない。「数千年前の人類の生活を表した貴重な資料です」などと言われている洞窟などに残された壁画も、当時の人が単なる落書きとして描いたものかも知れない。

 

ウォールペイント=アート or 落書き?

現代では街中に価値があるとは思えない本当の落書をよく見る。誹謗、中傷、下ネタなどなど。この落書きが「ウォールペイント」という英語に変わると途端に「芸術」という価値を付ける人がでてくる。まぁ芸術かどうかは別として、どうせ描くなら堂々とそして人々からも少しは賛同を得るようなものを描いてほしい。

当然、壁の所有者の許可もいるし、塗料代や時間もかかるから大変なのは理解できる。まして仕事でなく無料でとなればなおさらである。小さい面積なら別だが本来壁はある程度大きなもののはず。

 

アメリカのオクラホマ州にある小さな町ポンカシティ

町は生きている【for Rideコラム】

特段有名なわけでもなく、インターステーツフリーウェイも通っていない人口わずか2万人ほどのポンカシティという町は、中心部のダウンタウンでさえ人の通りもまばら。でもよく町を見てみると色々な壁に乗り物を中心にしたペイントが施されている。どれも1920年代~30年代がモチーフになっている。

写真ではわかりづらいけど、どれもがかなりの大きさ。最低でも高さ5m長さは20m以上ある。また壁自体もかなり古く、車がペイントされている壁はすべて100年以上前にレンガを組んで建てられたもの。

 

町は生きている【for Rideコラム】

列車がペイントされた壁は約30m以上あり、遠くから見ると本当に駅があるみたいに見える。ちなみにこの壁は今は貨物専用になったポンカシティの駅前にある。

 

町は生きている【for Rideコラム】

地元の人曰く、古き良き時代のこの町の思い入れもあり、あえて昔に描かれたようにしたらしい。もちろん地元の人が描いたもの。確かにこの町はダウンタウンのメインストリートがいまだにレンガを敷き詰めた道路として存在している。

 

人や商店が少ないせいもあるのか壁の前に立つと時の流れが一瞬止まってしまう。そしてどれもが決して上手いとは言えない絵だけども何故か共感を持ってしまう。

 

Writer: 松並学

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