冬の旅物語【ハーレー乗りのライターが語るコラム】第2話

目的は自ずと決まってくるのです。

1月6日

世間では正月休みも開けようとしている日に関東を3台4人で出発。

行き先は「とりあえず四国」でスケジュールも道順も、おまけに帰る日も何も決まっていない。そんないい加減な旅の初日は「淡路島で九州組と落ち合おう」。

というわけで一路寒空の高速道路を走るのだが、待ち合わせの足柄SAまで走っただけで指先は痛み、身体の震えは止まらない。とりあえずコーヒーを飲みつつ「朝早いから仕方ない」と自分に言い聞かせ走り始める。

足柄の朝は富士山が綺麗だが極寒

初日は500キロちょっと。高速だけなのでそれほどきつくもなく陽が高くなるにつれ気温も上がってくれる、それでも1月だから寒いのだが、午後3時過ぎには淡路島に。

キャンプ場を探すがどこも夏だけの営業で、オープンしているキャンプ場は皆無。仕方なく道の駅で野宿することに。

ほとんどの道の駅は駐車場での野宿には黙認してくれるが、一応確認を取ったほうが安心だ。酒を飲んでテントて寝ているところを「ここは困る」なんて言われでもしたら最悪だから、事務所での確認は必須。過去に無下に断られたこともないし。
「キャンプは遠慮いただいていますが、職員は夕方5時までしかいませんので」と、笑顔で言ってくれたこともあったので、ゲリラ的にやるよりは良いと思います。

夜になり九州組2人も加わり、明日からの予定を考える。高松の仲間が「泊まりに来い」と言ってくれたので甘えることにし、「香川でうどんでも食べようか」という意見に反対者がいるはずもなく、明石大橋下の夜は更けていくのです。

淡路の夜は橋の下で

1月7日

晴天の中出発し淡路島を下道で縦断。四国に渡るには高速に乗るしかないが1区間だけで一度降りて鳴門の渦を見に行くことに。いつもは高速で上を通るだけなので初体験。

鳴門大橋を望めるのも渦潮を見に行くから

引き潮時間2時間前で渦はあまり大きく見えなかったけれど、渦の上まで歩く歩道がガラス張りで高所に弱い人にはなかなかの恐怖歩道。ぞわぞわしながらの見学を終え、高松まで。この日の走りは200キロ程と短い。

とりあえず顔出しは必ず撮ります

仲間の家に行く前にやはり仲間が経営するうどん屋で食べ、翌日は地元民しかしらない「一番うまい店」に案内してくれるとのこと。それを楽しみに旅人6人は屋根のある場所に安心しつつ眠るのです。

1月8日

朝から雨。結構な雨。ともかく仲間の車に乗せてもらい地元民御用達のうどん屋に。

旅をしていて思うことは、全国どこの美味い物もそのほとんどが東京で食べられるのではないかと感じることだ。

流通や食品の鮮度維持技術が進歩したからだろうか、東京で食べられない地方名物はそれほどないし、地元で食べる方が美味しいということも無くなりつつある。

これは首都圏に住む者にとっては喜ばしいことなのだろうが、旅先で何か名物を食べた時に「東京の店のが美味かったな」と感じてしまう虚無感もある。

けれど、香川のうどんだけは別だ。確かに有名うどん店チェーンはどこにでもあるし、そこそこの讃岐うどんを再現しているとは思う。けれど何千件もうどん屋がある讃岐うどん屋各店の個性まで東京で再現できるわけもなく、やはり讃岐の味はそこでしか味わえない貴重なものではないだろうか。

そのうえ、うどんはほとんどが200円代という破格で、地元民も何杯も食べる。

場所や名前は控えるが、この店のメニューは「しょうゆ」「かけ」「湯もり」季節限定の「しっぽく」の4つと、数種類の天ぷらがメニュにある。うどんのサイズは大・小が選べ、全て食べ終わってからの自己申告清算。「しょうゆ」はうどんに醤油をかけて食べるだけなのだが感動的に美味い。

感動のしょうゆ

かけ

しっぽく

というわけでともかく美味い物でも食べながら旅をしようという、やはり曖昧な目的が設定される。

こうして朝からうどんを4杯食べて、雨の中徳島に向けて出発……と思ったが、一台のショベルのエンジンが掛からずに原因追及。

1時間ほどで原因がプラグコードだと発覚し、パーツを交換して無事再スタート。今回の旅にはショベルが3台もいるので、たいがいのトラブルには対応できる。

冷たい雨の中徳島に。本日は仲間が経営しているレザークラフトショゥプ「黒革」に泊めてもらうことに震えながら走る。距離は約80キロと短いが、雨でシェードが曇るし、寒さはハンパではないし、修行のような環境下を走行して一気に徳島に。

バイクを停めて着替えて銭湯に飛び込んで徳島ラーメンを堪能し、徳島の夜を楽しんだのでした。

旅はまだ始まったばかりだ。

徳島ラーメンは生卵にかぎります

関連記事 – 『冬の旅物語【ハーレー乗りのライターが語るコラム】第1話』

オオモリシゲユキ

オオモリシゲユキ

バイク・アウトドアが大好きな放浪ライターと書くと格好良いがただのオヤジライター。加齢臭気にしつつ今日もバイクで走ります。得意分野は外見に似合わず文章