BMWモトラッド(本社)が発表し、世界中で話題になった「HP4 RACE」。当サイトでは、そのリリース速報とスペックについて、二度に渡ってご紹介してきました。
これら情報はBMW本社が発表したもので、日本での発売については明確にされていませんでしたが……
BMW「HP4 RACE」とは?
復習しておきますと、「HP4 RACE」はBMWモトラッド自身が同社史上で最上質の市販レーサーと謳う、超本気モデルです。
その最大の特徴は徹底した軽量化にあると言えましょう。
フレームはオール・カーボン・ファイバー製を採用。ホイールも同じくカーボン・ファイバー製。その結果、乾燥重量はわずか146kg!
前後サスペンションはオーリンズ、ブレーキはブレンボの最上級品と、機能パーツも一切の妥協なし!
SBKレーサーと同等の仕様とされています。
もちろん心臓部たるエンジンもスーパーバイク仕様。ベルリンで丁寧に手組みされるエンジンは、World SBKのエンジンにさらに開発を重ねたもの。
最高出力は158kW(215HP)を誇り、最大回転数は14,500回転。最大トルクは10,000回転で120Nmに達します。
BMW「HP4 RACE」日本仕様のディテール
日本仕様といっても市販レーサーですので、欧州仕様と差はないのですが、復習しておきます。
コチラが上述のフレーム。フルカーボン製で、単体重量はわずか7.8kg!
そして、コチラが前後ホイール。フレームと同じくカーボン・ファイバーを使用しており、素材の剛性を活かすデザインを用いながら、鍛造軽合金ホイール比で約30%重量を削減しています。
フェアリングやインテーク・エア・サイレンサー・カバー、シートカウルもカーボン・ファイバー製を採用。何が何でもカーボン製なのです。
燃料タンクはアルミ製で、手作業で磨き上げられた後にクリア・コーティングが施され、車体の軽量化に寄与すると共に、レース向けのモーターサイクルに相応しい仕様となっています。
サスペンションはÖhlins社製の倒立式フォークFGR300とスプリング・ストラットTTX36Gを搭載。これはスーパーバイク選手権やMotoGPのマシンと同様の構造です。さらに切削加工と板金加工で製作された軽合金製の吊り下げ式スイング・アームも、スーパーバイク選手権で採用されているものを使用しています。
ブレーキ・システムは、従来ほぼ世界選手権でのみ使用されていたBrembo製GP4 PRモノブロック・ブレーキ・システムを装備。チタン・コーティング・ピストンとニッケル・メッキされたアルミ・モノブロック製キャリパー、厚さ6.75mm / 直径320mmのスチール製T型レーシング・ブレーキ・ディスクを搭載。高いブレーキ・パフォーマンスを実現しています。
電装系もまた、当たり前ですが、最高峰です。
- 2D社製ダッシュボードとデータロガーを搭載し、走行データの表示、保存、読み込みが可能。
- イグニッション・カット制御の音で動作を判別するダイナミック・トラクション・コントロール(DTC)とエンジン・ブレーキ(EBR)は、ギヤ毎に15段階にプログラム可能。ウィリー・コントロールもプログラム可能なため、ライダーは好みや走行条件に応じて細かくセットアップでき、車体の可能性を最大限に引き出すことができる。
- ピット・レーンの速度制限を遵守するためのピット・レーン・リミッターや、スタートをサポートするローンチ・コントロールを装備。
お値段は……1,000万円!
この超ハイスペックなBMW「HP4 RACE」、日本での正規販売がアナウンスされました!既に受注は開始されており、今年の11月から順次納車されます。販売台数は世界限定750台。そのうちの何台が日本に振り分けられるかは発表されていません。
そして気になる車両本体価格(消費税込み)てすが……1,000万円!欲しい方はどうぞ(笑)
BMW「HP4 RACE」のスペック
- 全長×全幅×全高:2,070×777×1,193mm
- ホイールベース:1,440mm
- シート高:831mm(Low;816mm,High;846)
- 車両重量:乾燥146kg、装備171.4kg
- エンジン種類 / 弁方式:水冷4ストローク並列4気筒 / DOHC4バルブ
- 総排気量:999cc
- 内径×行程:80.0×49.7mm
- 圧縮比:13.7-13.9:1
- 最高出力:158kW(215PS)/ 13,900rpm
- 最大トルク:120Nm / 10,000rpm