ロン・ウッドってストーンズのギタリスト?いいえ、伝説のカスタムビルダーです

インディアンモーターサイクルが、60年ぶりにフラットトラッックレースに復帰したり、ローランドサンズ・デザインとインディアンとが共同開催したフラットトラックレース「スーパーフーリガン」シリーズが話題になったりと、今、アメリカではダートトラックレースが大いに盛り上がりを見せています。

そこで今回は、世にも貴重な1970年代に活躍したビンテージフラットトラックレーサーのアーキタイプとも言うべき車両を紹介しましょう。

ロン・ウッドのライトウェイト・ノートン

ノートンというとロッカーズたちが好んで乗っていたことからカフェレーサーの印象が強いのですが、実はフラットトラックレースでも活躍していたんですね。

写真のマシンはロン・ウッド(ローリングストーンズのギタリストとは別人)氏というカスタムビルダーが1970年代初頭に製作したノートンベースのフラットトラック・スタイルのアーキタイプになります。

1971〜1972年に製作されたというこちらの車両。フレームは軽量化のため、ワンオフのバックボーンフレームが採用されています。

プライベーターでありながらワークスマシンを圧倒

ロン・ウッド氏の車両はワークスマシンではなく、プライベーターとして定期的にノートンの公式エントリーに参加し、優秀な成績を収めてきました。

この車両のオーナーであるジェイミー・ウォーターズ氏によれば、ロンウッド氏の製作した車両は、ワークスマシンよりもお金と時間と、何よりも愛が注がれていたそうです。

パワー不足を技術力でカバー

ウッドのノートンは、当時のハーレーやヤマハのワークスマシンに比べると、エンジンの馬力が低かったそうです。しかし、マシンの軽量化や巧みな駆動系のカスタムなどの技術力でカバーし、競争力を保っていました。

ガソリンタンクは1970年代のヤマハ「DT」のタンクが採用されています。キャブレターは……タンクのロゴがそのまま指し示していますよね。デロルト製が用いられています。

排気システムには1999年にAMAの殿堂入りを果たしたチューナーCR AXTELL氏の手が入っています。

ロン・ウッド氏のノートンは、1978年、アメリカ、ロサンジェルス近郊のアスコットスピードウェイで行なわれたAMAナショナルで、見事、勝利を収めました。しかし、ノートンがフラットトラックレースで勝利を収めたのは、これが最後となりました。

スクランブラーでもなく、オフロードでもないフラットトラックレーサーのアーキアイプ。1970年代初頭に造られた車両とは思えないほど、現代的なスタイルとなっていますね。伝説と呼ばれるに相応しい風格を持った車両だと思います。

現在、次の車両のインスピレーションに悩んでいる方は、こういう変わった車両を見て、お仕事の幅が広がるのではないでしょうか?

参考-BIKEEXIF
上中達也

上中達也

BMX、MX、スケボー、サーフィンなど横ノリ全般をこよなく愛する。クルマやバイクの新車情報や、オモシロ動画を逐一チェックする癖アリ。