美しさと扱いやすさを追求した車体に、今では珍しい空冷4ストロークDOHC直列4気筒エンジンを搭載したロードスポーツモデル「CB1100」シリーズ。
そこに今春、17インチホイールの採用などにより、よりスポーティな仕様とされた「CB1100 RS」が新たに加えられたことは、過去記事でご紹介しています。
今回は、そこに新たに2018年モデルとして加わったニューカラーを紹介しつつ、「CB1100」シリーズを復習しましょう。
2018年ニューカラーはモノトーン!
今回、「CB1100 RS」の魅力をさらに高めるモノトーン調のカラーリング”ヘビーグレーメタリック-U”を採用。
“ヘビーグレーメタリック-U”専用仕様として、シリンダーヘッドカバーとクランクケースカバーにブラック塗装を施すとともに、フューエルタンクにはローコントラストのセンターストライプを、シート表皮のカラーにはモノトーンの車体色に映えるブラウンカラーを採用しています。
さらに、前後のサスペンションやブレーキキャリパーなど、足まわりを中心とした各部にブラック塗装/アルマイト加工を施すことで、落ち着きのある洗練されたイメージを演出しています。
空冷4気筒エンジンとコンパクトな車体に良く似合うカラーですね!発売日は12月21日(木)、車両本体価格(消費税込み)は137万8,080円です。
ここからはコンセプトモデルの時代から「CB1100」シリーズを復習してみましょう!
最初のコンセプトモデルは2007年に登場!
今に繋がる「CB1100」シリーズの最初の最初は、2007年の東京モーターショーで世界初公開されたコンセプトモデル「CB1100F」。
ホンダの歴史と伝統を受け継ぎ熟成を重ねてきた直列4気筒エンジンを搭載する次世代のモーターサイクルとして提案されました。しか~し……
この第40回 東京モーターショー 2007で同時に発表された「CB1100 R」の存在を、覚えている方も少なくないことでしょう!
コチラこそが大本命と目していたのですが、本モデルは姿が消えてしまい、現在に至っているのであります……
ベースの「CB1100」シリーズがあるわけですから、往年の耐久レーサーを彷彿とさせるシルエットはそのままに、是非「CB1100 R」の市販化も是非お願いしたいところです!
市販予定のコンセプトモデルは2009年に登場!
2009年開催の第41回 東京モーターショー 2009で発表された市販前提のコンセプトモデルが「CB1100」。モデル名から”F”が落ちるとともに、完成度が一段と高められていました。
ワールドプレミアされた「CB1100」は空冷4気筒エンジンにこだわり、歴代の“CB”が持つ普遍的な美しさや乗り味を追求。やはり空冷直列4気筒エンジンは美しい!
しか~し……やはりこの東京モーターショー 2009でも、魅力的なコンセプトモデルが発表されていました。
それが、この”Customize Concept”です。”Customize Concept”は後にも登場してくるのですが、この2009年に発表された「CB1100 Customize Concept」が最も良い感じなのです。
往年の耐久レーサーイメージだった「CB1100 R」から打って変わって、コチラはカフェレーサーに仕上げています。ハンドルはクリップオンにして欲しかったな、とか、ロケットカウルにして欲しかったな、とか色々ありますが、グっと来るコンセプトモデルであったことは間違いありません。
今年のカワサキ「Z900RS Cafe」を見れば分かるように、今はメーカーがソコまでやって良い時代なんですよ!
そして初代モデルは2010年に登場!
そしてようやく2010年3月に発売が開始された「CB1100」シリーズ。こだわりを持った大人の価値観に見合うロードスポーツモデルとして開発。「鷹揚(おうよう)」をキーワードに、「味わいのある走り」「操ることの喜び」「所有することの喜び」を高い次元で具現化していました。
エンジンは、CBシリーズの伝統を受け継ぐ形で新開発した空冷4ストロークDOHC直列4気筒1100cc。コレが本シリーズのキモであります。
空冷エンジンならではの造形の美しさをさらに際立たせるために、2mmと極めて薄く奥行きのある形状の冷却フィンを採用。その特性は、市街地やツーリングで多用する低・中回転域でトルク感にあふれ力強い出力特性を実現。電子制御燃料噴射装置の採用などにより、全域で扱いやすいものです。
車体は日本人の体格に合わせており、750cc並みの重量とコンパクトで足着き性に優れたサイズを実現。フレームは、適度なしなやかさと剛性を両立した新開発のダブルクレードルタイプを採用していました。前後輪は、おおらかでゆったりとした走行を楽しめるように18インチ。制動時の安心感を高める先進のブレーキシステム、コンバインドABS(前・後輪連動ABS)をタイプ設定していました。
ハンドルの形状は、ライダーの好みによって選択できる2タイプを用意。Type Iは、アップライトでゆったりとしたライディングポジションを実現。Type IIは、Type Iに比べハンドルグリップ部を30mm低く23mm前方に、また幅を40mm狭く設定することでスポーティーなライディングポジションとしていました。
2012年には”Black Style”が登場!
2012年にはマイナーチェンジを受けます。
- さらなる乗り心地の向上のため、シートに網状のクッション「e-cushion」を国内市販二輪車で初採用
- サイドカバーにCB1100の立体エンブレムを採用し、あわせて左右のエンジンカバーのHondaロゴ部分をブラックに塗装することで質感の向上
- メーターパネルの視認性を向上
- ゆったりとしたライディングポジションを実現するアップハンドルタイプに統合
が主な変更点でした。
それと同時にリリースされたのは、この「CB1100 Black Style」。確かに良く似合っているのですが、アップハンドル仕様に統一されてしまったのは残念でした。
2014年にはスポークホイール仕様が追加!
そして2014年にはスポークホイール仕様の「CB1100 EX」が追加されました。「CB1100」自体は、再び”Type I”、”Type II”が復活していたりして、なんだか迷走している感じがしたものです。
が、この年、ミッションが6速化されたことはポジティブな変更でありました。
スポークホイール自体は良く似合っています。が、2014年の公式リリースには、
ベテランライダーを中心に好評を得ています。
という文言が登場……美しい空冷4気筒直列エンジン+コンパクトな車体という魅力的なパッケージが、(筆者もソコに当てはまるのですが……)完全なる”おっさんバイク”認定されてしまったことに衝撃を受けたものです。
そして2017年春、より走りを意識したモデルとして「CB1100 RS」がリリースされたのは、コチラの過去記事でご紹介した通りです。なのですが……
ホンダに求めるのはコレでしょ!
いかがでしたでしょうか?「CB1100」シリーズの歩みを駆け足で復習してみました。
筆者個人的には、「CB1100」に求められるのは「CB1100 RS」より更に一歩踏み込んだ、この2台のコンセプトモデルだと確信しています。今からでも遅くありません。ホンダさんには是非、「CB1100 R」と「CB1100 Cafe」の市販化をお願いしたいです。
皆さんは、どう思いましたか?
「CB1100 RS」のスペック
- 全長×全幅×全高:2,180×800×1,100mm
- ホイールベース:1,485mm
- シート高:785mm
- 車両重量:252kg
- エンジン種類 / 弁方式:水冷4ストローク直列4気筒 / DOHC4バルブ
- 総排気量:1,140cc
- 内径×行程:73.5×67.2mm
- 圧縮比:9.5
- 最高出力:66kW(90PS)/ 7,500rpm
- 最大トルク:91Nm(9.3kgf・m)/ 5,550rpm