旧訳聖書の一文がモチーフ…とびっきりカスタムされたカワサキ「Z1000ST」

カワサキ「Z1000ST」をご存知でしょうか? 同じような角タンクを持つ「Z1000Mk.II」に似たデサインをしていますが、チェーンドライブではなくシャフトドライブを持つ、どちらかと言えばマイナー車にカテゴライズされるでしょう。今回は、そんな「Z1000ST」をリビルトし、派手なカスタムを施した車両を取り上げてみましょう。

SACRILÈGE: A KAWASAKI Z1000ST OF BIBLICAL PROPORTIONS

こちらの車両をカスタムしたのは、フランスに居を構える「エド・ターナー・モーターサイクル」。ヨーロッパで最も極端なカスタムワークショップの一つと言われています。オーナーのカール・ルノー氏は非常に明確なビジョンを持って、こちらのショップにカスタムを依頼しました。

カール氏のビジョンとは、聖書の文献上にある「エゼキエル書」の21章に登場する「剣」をイメージしたカスタムでした。

ちなみにカワサキ「Z1000ST」はコチラ

角Zと呼ばれた「Z1000Mk.II」と非常に似た外観を持つ「Z1000ST」。しかし、外着パーツも全てMkIIとは互換性のない専用設計となっています。また、上記したように駆動形式がチェーンドライブではなく、カワサキ初のシャフトドライブを採用している点が最大の特徴です。

空冷4発の強力なエンジンがベース車両の決め手となった

ビルダーのグレッグは、強力なフレーム、かわった機構のスプリンガーフォークの、美しい仕上げを構想しました。加えて、空冷4発の強力なエンジン(93馬力)を搭載していたことから「Z1000ST」がベース車両と定められました。また、この車両をチョイスすることによって、オーナーのカール氏の予算の大半はデザイン費へと注ぎ込みことができたのです。

フレームはリジッドフレームに変更されることがすぐに決まりました。フロントフォークは様々な変遷を経て、ホンダ・CBRのフォークが適合するとなりましたが、このテレスコピックフォークの中身は空にして、シャフトレーシング製のカスタムダンパーを採用するという、非常に珍しい設定が施されています。

ビンテージドラッグマシンを意識

全体的なシルエットは、アメリカのビンテージドラッグマシンを意識した造りで、リアにはAVON製のクルマ用 17インチタイヤを履き、フロントには、こちらもAVON製の3.25-18インチリブタイヤを履いています。

ワンオフのカスタムサドルシートも、革職人レッズレザーの手によって見事に細工されています。

エゼキエル書(旧約聖書)21章の中から数行を選んで彫金

コフィンタンクにも似た小ぶりなワンオフタンクは容量5リットルとなっています。オーナーのカール氏は、このタンクを飾るためにエゼキエル書(旧約聖書)21章の中から数行を選び、彫金を施しています。「人の子よ。預言して言え。主はこう仰せられると言え。剣、一振りの剣が研がれ、みがかれている」。

ハンドル、マフラーはステンレスで製作

かくして、彫金が職人によって施される間に、エド・ターナー・モーターサイクルでは、ハンドルバー、マフラー、クランクケースを製作しました。

「エゼキエル21 一振りの剣」

そして完成したのがこちらの車両です。「エゼキエル21 一振りの剣」とでも呼べばいいのでしょうか。

カワサキ「Z1000ST」の面影はエンジンとシャフトドライブのみですが、確かに「一振りの剣」を連想させる、シャープな印象を与えてくれます。カール氏は、予算の都合で、全ての自負を満たせなかったと言っていますが、なかなか、これ以上のカスタムは想像できませんね。

参考 – Bike EXIF、画像 – KAWASAKI Z1000ST

K.Y

K.Y

スーパーカーやバイクなどの乗り物と音楽と洋服が好きなガテン系中年ライター。どんなものでも中身はハイテク外見はローテクが理想のカタチである。