イタリアの走る宝石MVアグスタがスクランブラー的なニューモデルを用意している、という情報は当サイトでも先日お伝えしていました。
この記事の執筆時点で公開されていたのはティザー動画のみでしたが、モデル名らしき「RVS」が”Reparto Veicoli Speciali”の頭文字であり日本語にすると”特別車両部門”であること……
シルエットから判断して「Dragster」がベースとされていること、それとデュアルパーパス・タイヤを強調していることからスクランブラーではないか、という想像(妄想?)をしていました。
早くも公開されたMV AGUSTA「RVS#1」
そんな「RVS」が、早くも正式に公開されました!正式名称は「RSV#1」とされており、新しい”RSV”シリーズの第1作であると発表しました。
「RSV#1」は、スペシャルなモデルとしてCRR(カスティリオーニ・リサーチセンター:筆者注;カスティリオーニはMV AGUSTA社CEO)内の新設部門で手組みされる、同社市販車における最上級モデルと位置付けられています。
さて、ここからは「RVS#1」について。このモデルをスクランブラーと呼ぶかどうかはひとまず置いて……ベースとされたのは「Dragster」で間違いありませんでした。
最大の注目はエンジン。同社製3気筒エンジンのなかで最高となる150HPを発生します!ベースモデルの「Dragster」は125HP、限定生産の「Dragster RC」は140HP、「F3 RC」でも148HPです。
技術的詳細は発表されていませんが、リリースには「機械的な改良と材料の質向上により」高出力化と静寂性を高めた、と記されています。
車体にも相当な手が加えられています。車両重量は僅か160kgと超軽量な仕上がり。ちなみに「Dragster」が167kg、「Dragster RC」は168kgです。
美しいスチール製トレリスフレームを支える側面のアルミ製プレート素材が航空機グレードの素材に変更されています(右側にはRSV#1のレーザー加工あり)。
ブレーキディスクは定番の”Brembo”ではなくて、なんと”Braking”製のBatflyを採用(ちなみにBrakingは日本のSunstarグループ企業)。MVアグスタCRCとの共同開発品だそうです。
スポークは”Kineo”の削り出し、タイヤは”Pirelli”のMT60RSをセレクトしています。
ガソリンタンクとシートは、本モデル専用仕上げ。
シートはハニカムステッチが施されていますが、これはデザイン性を高めると共に人間工学に基づいた仕上げです。ガソリンタンク上には、これまたハイエンドモデルであることを誇示するチタンプレートが装着されています。
排気系は”SC-Project”と共同開発した3-1チタン製。リリースでは「レースも視野に入れた仕様」と表現されており、高出力化と共に軽量化にも寄与します。MVアグスタの一つの象徴でもある3本出しを廃しています。
車体側面にLEDライトが追加装着されています。モデルのキャラクター性を高める処理でしょう。
他にも、メーターサポート、バックステップ・セット、エンジンプロテクター等々がMVアグスタCRCデザインの特別仕様とされています。
RVS#1はスクランブラー?
発表前はデュアルパーパス・タイヤを装備していることからスクランブラーではないかと想像されていた「RVS #1」ですが、明らかにされた実車を見ると、確かに、3-1マフラーや車体側面に搭載された縦2連装のLEDライトからはスクランブラー的テイストが漂います。この写真からも純粋なロードモデルではない売り方を想定しているのは明らかです。
一方で、排気系の説明では「レースを視野に入れた」と表記されているうえ、ハンドルバー周辺の処理はスクランブラーとは程遠く……
One man, One bike!
いかがでしたでしょうか? 筆者には何とも定義できない「RVS #1」ですが、そのイメージはMVアグスタ自身が暗示してくれていました。それが「One man, One bike」。リリース末尾の記載です。コレは深い表現ですね。皆さんは、どう捉えますか?
今のところ生産台数や価格は未発表ですが、市販車と明言されています。興味深い情報が入りましたら、続報としてお伝えしましょう。