1898年に誕生した、世界のトップメーカー「Norton(ノートン)」。2012年から20年ぶりにマン島TTレースに参戦し、新たなモーターサイクルの歴史に貢献しています。英国車として黄金時代を築いてきた「名門のノートン」の実力はいかに。
マン島で開催される「世界一危険なロードレース」
マン島はイギリスのグレートブリテン島とアイルランド島の間にあり、マン島TTレースは世界で最も古いロードレース。ノートンは、1950年代までに10回以上の優勝を誇り、世界トップクラスのメーカーとして君臨しています。
平均速度は200㎞以上で公道を走行する、世界一危険なロードレースです。バイクメーカーにとって、開発力を駆使したレーシングバイクを披露する機会となるため、マン島TTレースでの優勝は名誉なことなのです。
観客は、ライダーが民家を駆け抜けていく公道でのレース展開や開放されたピットでマシンの整備を体感でき、世界中からファンが集結します。さらに、ライダーとコミュニケーションをとり記念撮影もできるなど、ライダーとの距離が近いのも特徴的で毎年訪れるファンもいる魅力的なレースとなっています。
レース期間の2週間は、ビーチモトクロス、エンデュ―ロオーナーズのミーティング、コンテストなどのイベントも充実し、バイク好きなライダーにとって至福の島となります。
「マン島TTレース2017」名門ノートンの実力はいかに?
マン島TTレース2017において、ノートンは7、8位と健闘。優勝をかけたトップ5台の平均速度は、約130mph(209.2km / h)にも達し、白熱したレース展開となりました。
すでに完売!? カーボン仕様の高級モデル「V4RR」
V型4気筒の自社製エンジンの「V4RR」は、最大200馬力を誇る排気量1,200ccのモンスターマシンで、250台のみの限定モデルとして発売されています。外観はかなり高級感のある仕様で、カウルだけでなくカーボン製の部品を使用し、乾燥重量は179kgと軽量化を実現。
マン島TTで活躍した「SG5」よりもコンパクトかつ軽量なので、さらなるハイパフォーマンスが期待できるモデル。足回りには、オーリンズ製のサスペンションとブレンボ製のキャリパーを使用し、BOSCH製の6軸センサーの搭載によって、走行性能だけでなく安全性も確保されています。車体にはミラーがなく、7インチフルカラーの液晶モニターで後方の視界を確保できるリアビューカメラ付きの次世代バイクです。
さらに上位モデルのV4SSは、カーボンのホイールを搭載したモデルで、既にオーダーで200台が完売しています。
マン島TTレースは、バイクメーカーが開発した最新のスーパースポーツバイクに出会える貴重なレースともいえますね。観客とレーサーの距離が近いのも楽しみの一つ。
何よりバイク好きな人々が集まるマン島TTレースは、バイクを通して「様々な国の人が集まり、交流も図れる素敵な場所」といえそうですね。
「V4RR」のスペック
エンジン:水冷72°V4エンジン
全長×全幅×全高:2,340mm×840mm×1,065mm
最高出力:200bhp+α / 12,500rpm
最大トルク:130Nm / 10,000rpm
軸間距離:1,430mm
車両重量:179kg
総排気量:1,200cc
燃料タンク容量:18.0L