べスパマニアに最も好まれるモデルは、やはり○○だろう!

べスパのラインナップに「GL」が加わったのは1965年からとなる。「GL」の特徴はべスパの中で最初にヘッドライトを角目にした車種であるということだろう。もちろん、単なる角目というだけではマニアの心は掴めない。今回は、そんなマニアの中でも通好みとされる「GL」について語ってみよう。

べスパの過渡期に登場

「GL」が登場した1965年という年は、ピアジオ社にとっても過渡期とも言うべき時期であった。それまで生産されていたスタンダードの丸みを帯びたボデイからややエッジの効いたボデイに変更されたのも「GL」の特徴の一つである。それまでの8インチタイヤを排し、10インチタイヤを採用。エンジンの排気量こそ150ccと従来と同じものの、圧縮比を上げ、燃焼室の形状を変更することで出力の増加を得ている。

最もバランスの取れたべスパ

カタログを見ると高性能を誇る「160GS」と量販車種の「スタンダード」との中間的な位置付けだったようだ。ただし、スペック上ではGSよりも20kg軽く、10インチタイヤの採用により走行の安定性、さらにスタンダードよりもパワーのあるエンジンを得たことで、愛好家の間では、最もバランスの取れたべスパとして好評を博していた。

「GL 」のみ外装が異なる点が多い

「GL 」がマニアに好まれるのはもう一つ理由がある。ボデイの形状が他のべスパとは異なるのだ。まず、パッと見、「スプリント」や「GT」シリーズに代表される、ラージボデイ風の外見なのだが、フロントフェンダー、サイドカウルの形状が微妙に丸みを帯びているのである。

また、フェンダーとサイドカウルに付けられているサイドモールの形状も、「スプリント」や「GT」とは異なり、先端が弓なりに曲げられているのだ。べスパのラインナップの中で、この形のサイドモールを装着しているのは「160GS」と「GL 」の2車種のみなのである。ここまで書けば、いかに「GL 」が特殊なべスパであるかが伺いしれることだろう。

過渡期に咲いた徒花的な存在

同年にピアジオ社はヘッドライトを丸目にし、ボディラインにエッジの効いたデザインを採用した「スプリント」を発表する。「GL 」はまさに「スタンダード」と「スプリント」の登場する過渡期に咲いた徒花的な存在だったのだ。

スポーツモデルでもなく、量販車種でもない「GL 」の愛好家は世界中に数多く存在する。「160GS」ほどの華はないが、「180SS」ほどのクセもない。まさに「最もバランスの取れたべスパ」というキャッチフレーズがピッタリと当てハマることこそが「GL 」の最大の魅力なのである。

画像 –  Christian SchejaLaser BurnersDennis Yang

センカクダイバー

センカクダイバー

悲運の元パチンコ・パチスロライター。ベスパ歴27年、ミニクーパー歴2年のモッズ系猛禽類。旧車を好むクセに機械イジりや整備はサッパリというご都合主義者。