【ベスパ】GSの地位を引き継いだSSを紹介しよう!

1964年、ベスパのフラッグシップモデルであった”160GS”からスポーツモデルの地位を引き継いで登場した形となるベスパ”180SS”。

GS(グランスポルト)の称号はSS(スーパースポルト)へと受け継がれることとなった。一般的に華のある”GS”とは異なり、”ツウ”向け…というか主にマニアに好まれがちな”SS”。

しかし、意外なところで日本のコアなアニメファンの間では”GS”よりも名前が知られている”180SS”。ここではそんなちょっと不思議な存在でもあるフラッグシップモデル、「180SS」について紹介していこう。

“SS”からは角目ライトに変更しエッジの効いたデザインに!

1964年から1968年まで生産された180SSは、上記したように160GSの正統な後継機のスポーツモデルである。最大の特徴は台形のライト、いわゆる角目(SSが初ではなく、GLから採用された)と言われるライトを採用したことと、それまでのベスパが丸みを帯びた流麗なボディだったのに対し、SSに採用された新型ボディはエッジの効いたデザインを採用している点にある。

基本的にデザインは、SSの後継モデルにあたる”rally(ラリー)”とライト以外はほとんど同じなのだが、実はホイールベースが長く、フェンダーやサイドパネルも大きくなっているなど、様々な点に違いが見られる。俗に「SSはケツがデカい」と言われるのはそのためだ。

エンジンは”160GS”と同じくピストンバルブを採用!

新型ボディを採用したことにより、見た目は大きく変更されたがエンジンなどは160GSと共通する部分が多い。まず160GSと同じピストンバルブを採用していること。燃料の混合費も5%(ベスピーノなどは2%)。同じキャブレターを用いており、エンジンケースにおいては互換性もある。

ただし、ジェットの番手は大きくなっている…など、エンジンは基本的に160GSのものをボアアップさせ、強度を上げた進化版だと思えばいいだろう。

SSには初期型と後期型との2種類が存在する

160GSにマーク1とマーク2の2種類が存在するように、SSにも初期型と後期型との2種類が存在する。ただし、160GSのように見た目でわかる変更点はない。最大の違いは初期型がバッテリーが搭載されていたことに対し、後期型はバッテリーレスモデルになっていることだろう。これは初期型のバッテリー装備タイプはバッテリー配線周りに腐食が出やすいということから変更されたものである。

また、初期型と後期型とでは各スイッチ、配線などに互換性がないことも特徴に挙げておこう。

日本では”FLCL(フリクリ)”でクローズアップ!

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180SSはGSの正統後継機のスポーツモデルとして、海外の愛好家やマニア受けするタイプの車種だったが、ベスパらしくない角目(輸出先によっては丸目も存在)に、丸みの少ない新型ボディなど、決して日本の一般ファンに受けるような要素の少ないモデルであった。

しかし、「新世紀エヴァンゲリオン」などで知られるガイナックスによる、オリジナル作品として2000年から2001年にかけて全6巻のOVAとしてリリースされた「FLCL(フリクリ)」というアニメにおいて、主要人物である”ハルハラ・ハル子”がイタリアンイエローの180SSを乗り回していたことにより、事態は大きく変化を遂げた。それまで知る人ぞ知る存在だった180SSが、一般のアニメファンにまで浸透したのである。

これは「ローマの休日」「探偵物語」以来の快挙と言ってもいいだろう。

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そして180SSも伝説となる!

その名前こそアニメファンにまで浸透した180SSだが、スポーツモデルということで酷使されたことに加え、約3万5000台しか作られていないという希少車種であり、生産中止から約50年が経過した現在では入手困難なモデルの一つとなっている。

現在、入手したければ有名ベスパショップに足繁く通うなどして、時間とお金をかけてじっくりと探すより他ないだろう。恐らくフルレストアされたモデルならば三桁万円ほどで取り引きされることだろう。

「FLCL(フリクリ)」ファンからマニアに至るまで愛された180SS。そういった変わった経歴なども併せて、ベスパの中でも特別なモデルと言えるだろう。

画像 – Flickr : vespamore photography

センカクダイバー

センカクダイバー

悲運の元パチンコ・パチスロライター。ベスパ歴27年、ミニクーパー歴2年のモッズ系猛禽類。旧車を好むクセに機械イジりや整備はサッパリというご都合主義者。