ドイツの高級自動車メーカー「Audi(アウディ)」が、インドのスタートアップ企業「Nunam(ヌナム)」と提携して、アウディe-tronのテスト車両から取り外した使用済みバッテリーのフリーテストを開始しました!
世界的に注目を集めている”セカンドライフバッテリー”
今回のテストで使われるバッテリーは、アウディの電気自動車「e-tron」のテスト車両から取り出した使用済みをセカンドライフバッテリーとして、3台のeリキシャー(電動リキシャー=電動三輪タクシー)などに再利用し、ユースケースを調査していくとのこと。
セカンドライフバッテリーに多少不安を覚える人もいるかと思いますが、クルマを動かす大容量バッテリーだけあって、eリキシャーのような軽量かつ消費電力をそこまで必要としない製品に対しては、充分な性能を発揮します。
そして、eリキシャーなどで使用したバッテリーは、すぐにリサイクルするのではなく、さらに消費電力のかからないLED照明やさまざまなものに使用していく流れが想定されています。
※リキシャー:オートリキシャーとも呼ばれるインドの三輪タクシー。タイでの呼び名「トゥクトゥク」の方が日本では馴染みが深いかもしれない
アウディのDNAを備えたeリキシャー
ネッカーズルムの自動車工学/ロジスティクストレーニングの責任者であるTimo Engler氏指導のもと、12人の優秀な研修生チームによって開発された、アウディのDNAを備えたeリキシャー。この車両にセカンドライフバッテリーが採用されています。
開発にあたり、燃焼機関を電動モーターに交換し、セカンドライフバッテリーに対応すべくコンポーネントを再設計しました。
インドでの道路使用を目的とした電動モビリティに加えて、ヌナムと協力してショーモデルも追加で開発中とのこと。
インドにおける女性の就業支援も狙い
このプロジェクトは使用済みバッテリーの再利用方法だけではなく、特にインドでの女性就業支援も目的としており、女性の就業に対して電動三輪モビリティを提供することで支援していくとのこと。これにより、仲介業者を必要とせずに、商品を市場に輸送して販売することが可能になります。
生活が困難な状況にある人々も、収入を得て経済的自立の可能性を与えてくれる素晴らしい試みですね。
アウディが仕掛ける壮大なプロジェクト
使用済みバッテリーの再利用方法から、インドに住む女性の就業支援、さらには人口の多いインドの排気ガス減少を目指すといった、壮大なプロジェクト内容となっており、インド全体における社会貢献につながる可能性を秘めているのではないでしょうか。
カーボンニュートラルに向けた取り組みとしても、今後注目すべきプロジェクトといえましょう。
eリキシャーの走行テストは2023年はじめごろから開始されます。