ジャガー「Eタイプ」というスポーツカーをご存知でしょうか?1961年に発表されるや、流線型の美しいボディラインが人気を集め、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリ氏が「これまでに作られたクルマの中で最も美しい」と称賛したほどのモデルになります。
そんな「Eタイプ」をジャガー・ランドローバーが、オリジナルのボディを使って電気自動車(EV)へと変身させた「E-TYPE ZERO」を発表したので紹介しましょう。
「E-TYPE ZERO」
オリジナルのボディに最新のドライブトレインを組み込んだレトロフィットとして生まれかわった「E-TYPE ZERO」。外観はほとんど変わらない当時の「Eタイプ」そのものです。
パワーユニットの重量はオリジナルと同じ
クラシカルなフォルムはそのままに、心臓部は最新のドライブトレインへと換装された「E-TYPE ZERO」。ボンネットの中には容量40kWhのリチウムイオンバッテリーが収められています。何とこのバッテリーユニット、オリジナルのエンジンと同じ寸法、重量になるように設計されているからです。
出力220KW(約300ps)を誇るモーターは、ギアボックスが収められていた場所に配され、その重量もオリジナルのギアボックスと同等に作られています。
というのも、車体の補強などを行わずに済むようにパワーユニットの重量をオリジナルに合わせているからとのことです。結果、車重はオリジナルより46kg軽量化されていますが、前後の重量配分はそのままで、運動性能も維持できているとのことです。
トランクの下にはEVの制御ユニットが収められています。
スムーズに走行しているシーンが映し出されています。優雅なフォルムが際だちますね。
インテリアに目を向けると……やはり、こちらは当時そのままというわけではありません。運転席まわりのパネル類が、現代風に変更されていますね。
給油口を開けてみると、そこには通常充電用のSAE J1772充電用ソケットが搭載されています。
ベース車両は1968年製のシリーズ1.5ロードスターとのことです。
1回の充電では270kmの走行が可能。さらに0-100km / h加速は5.5秒というタイムを叩き出しています。それでは、実際に「E-TYPE ZERO」が走行している動画をご覧下さい。
いかがだったでしょう。美しい車両を数多く世に送り出してきたジャガーの中でも、最も美しいと名高い「Eタイプ」を電気自動車へと昇華させた「E-TYPE ZERO」。まだプロトタイプ段階ですが、今後の量産化に期待したいところですね。
2020年までに全ての自動車を電動化すると発表したジャガー・ランドローバーが、本気で作ったクラシカルEVカーが、今後のクルマ造りの有り様を示唆しているのかもしれません。