フェラーリは10月13日に、F12ベルリネッタよりもさらに高性能をモデル「F12tdf」を、799台の限定生産で販売する発表した。11月8日にイタリアはムジェッロで開催されるイベント「フィナーリ・モンディアーリ」で正式公開を予定している。
ツール・ド・フランスの名を持つモデル
F12tdfは、1950年~1960年代にかけて開催された伝説的な耐久ロードレース「Tour de France(ツール・ド・フランス)」に敬意を表し、その略称が与えられたモデル。同レースで過去にフェラーリは、1956年から9度連続優勝をしている。いまやツール・ド・フランスといえば、自転車ロードレースの事を指すが、クルマによるフランス1周レースのことで、実はこちらの方が歴史は古いのである。
「F12 Versione SPECIALE」や「F12 GTO」などのモデル名が予想されていたが、結局「F12tdf」が正式名称となった。
アマチュアドライバーが高性能車輌の開発に関与する「XXプログラム」で培われた経験と最新技術が込められ、サーキットでも十分通用するというハイスペックモデルとなっている。
今回発表された「フェラーリF12tdf」は、同社のエンジニアがチューンしたサーキットでも十分通用する究極のロードカー・コンセプトを極めており、最高出力574kW(780PS)/8500rpm、最大トルク705Nm/6750rpmを発生するV型12気筒6.3リッターエンジンを搭載している。
トランスミッションはギア比を6%クロスレシオ化した専用の7速DCT「F1 DCT」を採用、アップシフトは30%、ダウンシフトは40%、それぞれ高速化したほか、大幅なダウンフォースの増加によるコーナーリング速度の向上や、リアタイヤに対してのフロントタイヤの拡大している。
さらに、ボディサイズは4656×1961×1273mm(全長×全幅×全高)、乾燥重量は1415kg、ボディ内外にカーボンファイバーを使用することで、車両重量は110kg削減させたことにより、0-100km/h加速は2.9秒、0-200km/h加速は7.9秒、最高速度は340km/h以上、フィオラノ・サーキットのラップタイムは、1分21秒フラットと公表されている。なお、燃料消費量は15.4L/100km(約6.49km/L)。
F12tdfが、F12ベルリネッタの進化版と位置付けているのは、性能だけでなくエクステリア、インテリア面においても同様だ。エクステリアは、ノーズからテールに至るまでの全てのボディパネルが修正され、広くなったフロントおよびリアトレッドによってアグレッシブなフォルムが実現されている。
ドアパネルやインストルメントなどにもカーボンファイバーが多用されている。
日本での発売などについては不明だが、世界限定799台であれば、早い段階での完売が予想される。第1号は、一体どこの石油王が、はたまたどこのラッパーが購入するのか。そこも気になってしまう。
参考 – フェラーリ