2016年4月に発生した熊本・大分地域での大地震、その被害は凄まじいものでした。まずは被災した方に一日も早く平和な日常が戻ることを願います。その被災地では、今も復興に向けて陸上自衛隊が活動を続けています。
そこで今回は、熊本地震の被災地で活躍している陸上自衛隊の車両の中から、私たち一般人に身近なものを紹介してみたいと思います。
疾風(はやて)
長野県の松本駐屯地を出発する、第13普通科連隊所属の高機動車(人員輸送用の車両)。製造は日野自動車で、開発はトヨタが担当。略称は「HMV(ハイ・モビリティ・ビークル)」、愛称「疾風(はやて)」。乗員数は10名、車輛重量は約2.6t、最高速度は時速125km。全長4.91m・全幅2.15m・全高2.24mです。民生品バージョンとしても「トヨタ・メガクルーザー」販売され、「和製ハマー」と呼ばれました。
ライトアーマー
長崎県の対馬駐屯地を出発する、対馬警備隊所属の装輪装甲車(タイヤ駆動の装甲車)。小松製作所が製造する略称「LAV」、愛称「ライトアーマー」。乗員数は4名、車輛重量は約4.5t、最高速度は時速100km。全長4.4m・全幅2.04m・1.85m。
バイクもあるぞ!カワサキ「KLX250」
群馬県北群馬郡榛東村の相馬原駐屯地を出発する、第12偵察隊に所属する偵察用オートバイ。カワサキが製造、ベースは「KLX250」。乗員数は1名で、車輛重量は121kg、最高速度は時速135km。全長2,165mm・全幅860mm・全高1,210mmです。偵察および連絡等に使用されます。
1t水タンクトレーラ
人間が生活するために必要不可欠な水を提供するのも、タンクトレーラが使われています。
野外炊具1号(改)
第42普通科連隊(北熊本)が実施する生活支援活動(炊事)の様子。隊員の奥に見える車両は「野外炊具1号(改)」。最大250人分の主食と副食を約45分以内に同時に調理できる炊飯能力を備えています。調理の種類としては、炊飯、汁、焼・煮・炒・揚げ物などが可能。
なお最近のモデルでは、冷凍冷蔵機能、貯水機能、給排水機能及び自動着火機能が追加され、操用性を増しています。
油圧ショベル
道路啓開作業を実施する第5施設群(高田)の様子。油圧ショベルは、「日立建機」、「小松製作所」、「神戸製鋼所」、「新キャタピラ三菱」、「コベルコ建機」が納入しています。
2016年5月8日現在、延べ約50万7,200名もの隊員が活動しており、それを支える手段として、様々な車両が活躍しています。最後になりましたが、自衛隊の方々に感謝しつつ、被災地に一日も早く笑顔が戻ることを願います。
※本記事執筆にあたり、写真および情報を陸上自衛隊よりご提供いただきました。
参考 – 陸上自衛隊