以前『ランボルギーニのSUV「ウルス」がついに市販化決定!』で記事にした際には、”ランボルギーニ初のSUV”と書きましたが、実はさかのぼること30年前に、ランボルギーニは幻のSUVを発売していたのです。
今回はそんな幻のランボルギーニSUV「LM002」についてご紹介いたします。
本格オフロード4WD「LM002」
元々はランボルギーニが資金繰りに苦戦していた時代である1970年代〜80年代に、アメリカ「MTI(モビリティ・テクノロジー・インターナショナル)」の依頼で製作したアメリカ軍向け高機動車のプロトタイプ「チータ」が起源です。
チータは、1977年に開催されたジュネーブモーターショーで発表されたコンセプトカーで、当初は親会社クライスラー製V型8気筒エンジンを横置きでリアミッドシップに搭載していたのですが、軍用車としてのプロジェクトが頓挫したため、急遽スーパースポーツ路線へ転身、ランボルギーニ製 V型12気筒をリアに横置き搭載したコンセプトカーを経て、V12エンジンをフロントに移動させ、縦置きとした「LM002」へと生まれ変わり、1986年に市販化させたという経緯を持ちます。
当時は、現在ほどプレミアムSUVのマーケットも広がっておらず、1993年に総生産台数301台で生産終了となりました。そのため今では”幻の名(迷)車”となっているのです。
ランボルギーニの底力
LM002は、鋼管スペースフレーム、FRP製アウターパネル、アルミ製ドアからなるボディに、カウンタックのV型12気筒5.2L、5速MTのフルタイム4WDとなっています。また、粗悪なガソリンでも走れるように仕様が変更され、悪環境も考慮した高性能エアクリーナーや、猛暑地帯も考慮した大型ラジエーターなど、いかなる環境のオフロードでも走行できるよう設計されているのです。
最高出力450PS/6,800rpm、最大トルク51.0kgm/4,500rpmを発揮し、車両重量は約3,000kgにもかかわらず最高速度は206㎞/hを誇ります。また、燃料タンクは290Lという超大容量となっています。
インテリアは、軍用からスーパースポーツ路線へシフトチェンジしたタイミングでラグジュアリーな仕様へ切り替えられました。そのためシートやトリムにはレザーをふんだんに使用し、エアコンやオーディオを備え、ラグジュアリーカーそのものであり、プレミアムSUVのパイオニア的存在でした。
スペックやインテリアなど、随所に”ランボルギーニとしてのプライド”を感じさせてくれます。
最後に気になるのが価格だと思いますが、イギリスの世界最古のオークション「Sotheby’s」で、2015年1月に17万500ドル(約2,100万円)で落札されています。一般市民の筆者からしたら、とても購入できる金額ではありませんが、メルセデスの「AMG G65」(新車価格:3,410万円)を買えてしまう社長さんであれば、余裕なのではないでしょうか。
とはいえ、幻のクルマだけあって、タマを探す方が大変かもしれませんが…。
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