LEXUSは、フランス・パリで9月29日(木)~10月16日(日)に開催される2016年パリモーターショーに、乗員身体にかかる負担を軽減する新コンセプトシート「Kinetic Seat Concept(キネティック・シート・コンセプト)」を、出展すると発表しました。
乗員の負担を軽減
キネティック・シート・コンセプトは、長時間運転による疲労の低減や、旋回時の運転しやすさ向上を目指してデザイン・開発された全く新しい形状・機能のコンセプトシートです。
機能的な特長としては、乗員の腰の動きに合わせてシート座面と背面が動き、歩行やジョギングに近い人体の動きをシート上で実現してくれるという事。これにより、コーナリングや凹凸のある路面を走行した際に、乗員の頭部が動いてしまうのを抑制し、目線が安定することで運転しやすさや快適性が向上するのです。
また、腰の動きが身体に適度な刺激を与えるため、長時間運転時の筋疲労を抑えられるよう設計されています。
クモの巣パターンのネットシート
見た目の特長としては、何と言っても放射線状に広がるクモの巣状のネットです。
クモの巣パターンを採用し、背面の中心を肩甲骨の高さに設定することで、中心部を回転軸とする胸郭の動きを誘発します。これによって頭部が安定し、高いサポート性を確保しているとのこと。
また、変形が容易なネットが身体の凹凸をしっかりと包み込み、荷重を分散することで長い時間座っていても快適性を保てる仕組みとなっています。また、この素材を採用する事によってシートの薄型化を実現し、車両の軽量化にも貢献しています。
人工合成クモ糸繊維を採用
背面のクモの巣パターンの裏側には、スパイバー株式会社の開発素材である、石油由来ではない環境に優しい人工合成クモ糸繊維「QMONOSTM」が使用されています。この素材は、微生物発酵によって原料となるクモの糸の主成分であるタンパク質を生成し、紡糸・加工した新素材であり、衝撃吸収性(タフネス)に優れています。
快適性が向上するとともに、軽量化にも貢献する「キネティック・シート・コンセプト」。
フレームとネットのみの状態なので、どうしても先進的でスポーティなイメージが強いですが、レザーのカバーが施されればラグジュアリーなモデルなどにも合いそうですね。
未舗装路や強烈なコーナーを運転して、実際に体感してみたいものです。