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メッサーシュミットは飛行機だけじゃない!? 戦闘機のような屋根付き三輪スクーターもある

メッサーシュミットは飛行機だけじゃない!? 戦闘機のような屋根付き三輪スクーターもある

第二次世界大戦後、航空機や兵器などの軍需企業が民需転換策や、新興企業の自動車業界参入が図られていたドイツ、イタリア、フランスを中心に生産された、極めて小さく廉価な簡易自動車のことをバブルカーと呼ぶ。小さな車体に対するキャノピーの大きさがバブルを連想させたことが由来だという。中でも特徴的なスタイルを持つ一台がメッサーシュミット・「KR200」である。

 

雨を避けることが出来るスクーター

メッサーシュミットは飛行機だけじゃない!? 戦闘機のような屋根付き三輪スクーターもある

メッサーシュミット社とはご存知の通りドイツの戦闘機メーカーである。戦後、航空機の開発、製造を禁止され活躍の場を失っていたが、同社は市民のアシとして人気を集めていたバブルカーに目を付け開発に着手するようになる。コンセプトは「雨を避けることが出来るスクーター」であったという。こうして1952年に誕生したのがメッサーシュミット・「KR175」である。タンデム式の2人乗りというキャビンは、あたかも戦闘機のコクピットを連想させる形状となり、エンジンにはザックス社製2ストローク175ccエンジンを搭載。安価で効率の良い超小型3輪自動車の「メッサーシュミット」は市場からも高い評価を受けることとなる。

 

名車KR200の誕生

メッサーシュミットは飛行機だけじゃない!? 戦闘機のような屋根付き三輪スクーターもある

KR175は1955年には車体や足廻りに大幅な改良が加えられ、メッサーシュミット・「KR200」が誕生した。「KR175」との違いはエンジンの排気量、リヤサスペンションにラバーマウントを搭載、そしてエンジンを逆回転させることで、バックも可能となった点であろう。このKR200は大ヒット作となり、バブルカーを代表する一台へと成り上がったのだ。

 

約4万台が製造された

栄華を極めたメッサーシュミットKR200であったが、石油が再び安定供給され、多くの自動車メーカーが500ccクラス以上の4輪自動車を安価に製造することができるようになるにつれ、安全性や居住性に劣るバブルカーは人気を失い、徐々に衰退していくこととなり、1964年で生産終了されることとなった。総生産台数は約4万台だと言われている。

 

オーナーになる道はかなり険しい

かくして、人気を博した「KR200」の歴史は途絶えることとなったが、その後も「KR200」はマニアに高い支持を受け、現在では市場価格も高騰しており、おいそれと買える金額ではなくなっている。マレに中古市場に出たとしても基本的には¥ASKと書かれていることだろう。レプリカもイギリス製のキットカーなどが発売されているが、300万円前後で取り引きされている。日本でも光岡自動車がレプリカモデルを販売していたが、こちらはエンジンが50ccであった。現在は見ることも難しい。世界中のマニアを惹き付けてやまないメッサーシュミット「KR200」。世界中にマニアがいるだけあって、オーナーになる道もその分、険しいようだ。

 

画像 – Flickr : Greg GjerdingenPROSven-Kåre Evenseth

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