“羊の皮を被った狼”が現代に復活!? 50年振りにポルシェ「911R」が蘇った！

ポルシェの代表モデルである「911」。モデルチェンジを重ねる度に、その走りは洗練され、すべてのスポーツカーの指針となっています。どんな時代になってもスポーツカーといえば「ポルシェ・911」というぐらい、クルマの世界にとっても特別な１台です。

現行の「991」型になり、「911」でもより走りを追求したモデル「GT3」、ハードコアモデルの「GT3RS」、それに相応しいエアロ、最新鋭のメカニズムでレーシングカーに見劣りしない速さと、ストリートモデルとしての快適性を両立したモデルとして人気を博しています。

しかし、ポルシェ・フリーク、スポーツカーの「スポーツ」を追求する者からは「確かにいいスポーツカーだがコレは違う」という声が…。そんなファンの声がポルシェの熱いエンジニアのハートに響き、50年ぶりに「R」の名を与えられた”羊の皮を被った狼”が現代に復活しました。

現代に蘇った「911 R」は「911 GT3RS」譲りのメカニズムをベースに、よりマニアックなものに仕上げた１台となっています。メインユニットは「GT3RS」の500馬力を発揮する4.0L フラット6 NAを搭載。それに組み合わせるトランスミッションは、専用設計の「３ペダル」の６速マニュアルミッション。軽量かつ、ショートストロークで、操作感だけではなく、２ペダルMTモデルと遜色ないパフォーマンスを発揮します。

安定性を確保しながらドライバーの要求に忠実に応える

足回りは、タイトなコーナーを走り抜けるために標準装備となっているリアアクスルステアを「911 R」向けに特別なチューニングを施しています。機械式のリアディファレンシャルロックも相まって、優れた安定性を確保しながら、ドライバーの要求を限りなく忠実に応えるダイレクトさが味わえます。

ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム（PSM）の制御システムに対して「911 R」独自のチューニングを施しました。

完璧なシフトチェンジを実現させるため、スイッチ式のシフトダウン時のダブルクラッチ機能
シングルマスフライホイールでより素早いエンジンレスポンスと高回転時のダイナミクスを実現（オプション）
ボタン操作でフロント車高を約30 mm増大させるリフトシステム（オプション）

一見「911カレラ」のボディに見える外観だが…

一見「911カレラ」のボディに見える外観ですが、フロント・リアバンパーこそ「GT3」の”それ”を採用しています。フロントリップスポイラーも専用設計で、リアディフューザーにいたっても専用品となります。

外観で最大の特徴となるリアスポイラーは、カレラでお馴染みの可変リアウィングに変更。十分な空力性能を発揮します。ボンネットとフェンダー部分にはカーボンを使用し、ルーフにはマグネシウムを使用。リアウインドウとリアサイドウインドウは軽量プラスチック製となっています。

車体重量は1,370kgと、GT3RSから50kgのダイエットに成功しました。これにより0-100km/hを3.8秒、最高速は323km/hと素晴らしいパフォーマンスを実現しています。

初代「911」を彷彿とさせるインテリア

インテリアは、運転席のシートをカーボン製フルバケットシートで、シート中央部には”ぺピータ”タータンデザインのファブリック素材を採用し、1960年代に誕生した初代「911」を彷彿とさせます。また、GTスポーツステアリングホイールは「911R」専用にデザインされたもので、直径は360 mm。シフトチェンジは、ストロークを短く設計して、専用シフトレバーとクラッチペダルによって行います。典型的なGTモデルであることから、ドアオープナーにはプルストラップを採用しています。

ちなみにエアコンはオプション装備で、より1967年の「911 R」に近づけたいオーナーの要望に応えられるものとなっています。助手席のに設けられたカーボン製のトリムストリップには、「911 R」のシリアルナンバーを記したアルミニウム製のバッジが埋め込まれるというニクい演出も！

世界限定991台、2,629万円（税込）で3月2日（水）よりポルシェ・ジャパンでも予約を開始しています。すぐに手に入るようなリーズナブル・プライスではありませんが、気になった方は、一度取扱店に足を運んでみてのも良いのではないでしょうか。