国産オートバイにおけるクルーザー・カテゴリーにおいて、独特の存在感を放つカワサキ「バルカン」。そんなバルカン・シリーズから、2016年モデルとなる「バルカン900クラシック」が、2015年10月1日より発売される。
2015年モデルからの変更点は、カラーリング&グラフィックの変更のみだが、あらためて「バルカン900クラシック」の魅力についてご紹介したい。
トルクフルな新設計エンジン
まず特筆すべきは、902cc水冷4ストロークV型2気筒SOHC4バルブエンジンだ。最大トルク65N・m(6.6kgf・m)/3,000rpmを発揮し、低回転からトルクフルな特性を楽しめる。
ボア×ストローク88.0×74.2mmというロングストロークから産み出されるパワー&トルクは、決してハイパフォーマンスというわけではないが、ある意味”クセのある”エンジンフィーリングに、乗れば乗るほど愛着が湧く。
また、デュアルスロットルバルブを搭載したフューエルインジェクションは、スロットル操作に忠実なレスポンスと高回転域までスムーズに吹けあがる快適なクルージング性能も両立している。
クラシカルでグラマラスなスタイルが美しい
絶版となったバルカン400ccシリーズにおいて、絶大なる人気を誇った「バルカン400クラシック」もそうだが、バルカン・シリーズは「クラシック」のスタイリングが特に美しい。
「バルカン900クラシック」でもフロント・リヤともに美しいクロームメッキのスポークホイールが採用され、幅広のアップハンドルとともに華麗な雰囲気を醸し出している。 大容量20Lのガソリンタンク上部にメーターパネルを設置することでハンドル周りをシンプルに作り上げている。また、タンクからスイングアームまで計算し尽くされた直線的ラインで結ぶ独特のバルカンラインも、車両全体の”まとまり感”に一役かっている。
そして、大胆に足を投げ出して乗るフォワードコントロールポジションと、680mmの低いシート高が、威風堂々としたライディングポジションにも貢献している。
ファットな足回り
フロント130/90-16、リヤ180/70-15というファットなタイヤサイズも、どっしりとしたクラシカルなイメージを演出している。さらに重厚さを後押しするのが、クラシックならではの深いフェンダーだ。とりわけリアフェンダーのラインは秀逸で、主張しているのだがしすぎているわけではない、絶妙なラインに仕上がっている。
芸術的なスタイリングと、個性の強いエンジン性能を持ち合わせた「バルカン900クラシック」。
良くも悪くも”男カワサキ”であり、そんな乗り手を選ぶような一筋縄ではいかないキャラクターが、ライダーの心を掴んで離さないのであろう。