【座して待て】AT限定大型バイク免許の排気量上限制限が撤廃される!?

警察庁は、AT限定大型自動二輪免許の排気量上限制限を撤廃する方向で現在検討しています。

排気量上限が撤廃されれば、AT限定取得者でも乗れる車種が格段に拡大できます。そもそも、現状でなぜ上限650ccという決まりができたのでしょうか。AT限定ができた背景から、現在上限制限撤廃する検討がなされたのか解説します。

 

AT限定大型自動二輪免許の排気量650cc制限廃止を検討中

AT限定大型自動二輪免許(以下:AT大型二輪免許)は2005年6月に創設され、排気量上限を650ccと定めています。

これが、警察庁内で「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等について排気量上限廃止にすることが現在検討されており、8月20日までパブリックコメントを募集していました。

 

実現すれば今年12月1日に施行予定

警察庁に問い合わせてみたところ、現段階では令和元年12月1日の施行を予定としているとのことですが、あくまで検討中のものとしています。

パブリックコメントでどのような意見が投稿されたか気になるところですが、バイク好きとしてはAT限定で大型二輪免許を取得しても排気量上限650ccが撤廃されることを願いたいです。

 

なぜ上限650ccとされたのか?

スズキ・スカイウェブ650

自動二輪免許にAT限定ができる以前、1990年代後半からヤマハ・マジェスティやホンダ・フュージョン、フォルツァといった軽二輪車のビッグスクーターが人気となり、のちに大型クラスのビッグスクーターも登場するようになり二輪車業界でビッグスクーターが一大ムーブメントに!

 

クラッチやミッション操作のいらないスクーターのユーザーが増えたことで、自動二輪免許取得を今までより簡単で安価に取得できるようにAT限定制度を設立し、小型、中型、大型にAT限定二輪車免許を設けました。

 

このとき、AT限定大型二輪免許で乗れるバイクは、500ccのヤマハ・TMAX、600ccのホンダ・シルバーウィング、650ccのスズキ・スカイウェーブの3車種だけで、一番排気量の大きいモデルに合わせて上限650ccとしたのです。

 

アプリリア・SRV850

そのため、国産メーカーは大型バイクのビッグスクーターを開発する際に上限650ccで開発しなくてはならなく、海外メーカーのジレラ・GP800やアプリリア・SRV850といったハイスペックスクーターから性能でおくれをとっていました。

 

クラッチ操作なければAT限定の操作可能

DCT搭載のホンダ・NC750S

ここ数年、クラッチ操作をせずに変速できるモデルが多く発売されています。

ホンダは、一部のモデルでクラッチ付ミッションモデルとDCT搭載ミッションモデルのふたつをラインナップするようになり、DCT搭載車はクラッチレバーはなくアクセルを戻さなくても変速可能。

 

こういったクラッチレスモデルは排気量上限がなくなればAT限定の方が乗っても合法になり、AT限定大型二輪免許取得者でも乗れる650ccを超えるモデルが多数存在します。

現在、AT限定大型二輪免許の取得者は年間でわずか100人程度しかおらず、AT限定制度設立が二輪車免許取得者を増やすことにあまり貢献していないのが現状。

あまりにも受講者数が少ないせいか、AT限定二輪車免許取得ができる教習所自体も少ないままです。

 

クルマ同様にAT主流の時代がやってくるかも

AT限定大型二輪免許に排気量上限がなくなれば、ホンダ・ゴールドウィングDual Clutch Transmissionも乗れることになります。

現行モデルのリッタースーパースポーツモデルではクラッチレバーがついているものの、クラッチ操作やスロットル操作を行わずにシフトアップ/ダウンが可能なモデルも登場し、クラッチ操作によるパワーロスをなくしてライダーの負担を減らすように開発が進められています。

 

バイク業界全体でクラッチレスで操作可能にする傾向になっており、自動車同様にATが主流の時代がやってくるかもしれません。

「AT限定なんかカッコ悪い」というのは、もう時代遅れの考えになってくるでしょう。