1983年に販売が開始された水冷縦置き4気筒エンジンを搭載する”Kシリーズ”も、今ではすっかり定番の高速ツアラーとして、確固たる地位を確立しています。今回は、そんなKシリーズの中でも初期モデル、1985年式「K100RS」をベースに、無骨なスクランブラーにカスタムされた一台をご紹介しましょう。
K100 Scrambler
製作したのはアメリカはケンタッキー州ルイビルのカスタムビルダー、h Garage主宰のScott Halbleibさん。常連客から「ユニークなカスタムバイクを作って!」と依頼されてプロジェクトがスタート。
国内外で多数受賞歴のあるh Garageでは過去に「Kシリーズ」のカスタム車両を製作していましたが、今回はユニークなスタイルを目指し、スクランブラーとして仕上げることに決定しました。
ベース車両はオークションサイトで購入。試乗でミラーが脱落してしまうようなグズグズの状態だったため、フルオーバーホールを実施したうえで、”Kシリーズ”特有の角ばったデザインを活かしたスクランブラーへと仕上げていきました。
フレーム(シートレール)を加工して、オーナーからの要望であった”タンデムライダーが快適なシート”をワンオフで製作。特徴的なマフラーは、サイレンサーのみEmgo製を採用。難しい取り回しを強いられたエグゾーストパイプは、すべてワンオフで製作しました。
特徴的なヘッドライトシュラウド&スクリーンもh Garageのオリジナル。スクリーンはシュラウドから取り外すことも可能という凝った仕様です。メカメカしい車両に良く似合うハンドガードはMoose製をチョイスしました。
ハンドルバーはオフロードバイク用のセミアップタイプをセレクト。そこにRAM Mountの「Xmount」スマホホルダーを装着しています。細かい部分では、オーナーの希望によりスタートスイッチをプッシュボタン式に変更しています。
一見するとノーマルのように見えるエンジンガードはATV用をベースにブラケットを加工して装着したもの。細かな部分も手が込んでいます。
ワンオフを多用することでコストが上がってしまったため、オーナーと相談して外観はビカビカにはしないことに。エンジンはフレームから降ろさず簡単にクリーニング。フレームもタッチアップした程度。それがかえって、この車両のメカメカしさや無骨さを強調しています。
フロントフェンダーは短くカット。フロントフォークにスペーサーを加えることで、若干車高を上げ、スクランブラーらしいフォルムを手に入れています。
サイドパネルはメッシュ製。これまたワンオフで製作しました。
リアフェンダーはスクランブラーらしいショートな長さにカットされ、フレームに溶接されています。フェンダーの裏側には、LEDテールライトが見事に収められています。
センスの良さに脱帽
いかがでしたか? ツアラー「K100RS」がベースとは思えない、ユニークな「K100 Scrambler」。はじめて見るデザインの排気系やヘッドライトシュラウドなど、製作者h Garageのセンスの良さがうかがえる一台です。
参考 – h Garage