今や世界を代表する日本のバイクメーカーからは、毎年魅力的なバイクが次々と登場します。国内メーカーのバイクは品質も良く、性能に関しては間違いなく世界最高。そこで気になるのが、クオリティの高いバイクを生み出しているメーカーは「いったいどれくらいの費用をかけて開発しているのか」ということではないでしょうか?
最近は電子制御も標準装備されており、どんどん高性能化してきました。また、それに伴いバイクの値段自体も上がってきています。他にも、バイクメーカーが費用をかけているものって、市販車の開発費だけではありません。
特に最近はホンダ・ヤマハ・スズキと言った3台メーカーが、バイクレースの最高峰であるMotoGPにワークス参戦しています。MotoGPは市販車ベースではなく、プロトタイプのバイクベースとなっていますので、イチからバイクを開発しなければいけません。そのため、巨額な開発費が必要となります。
今回は、メーカーがバイクの開発費にかける費用についてや、ハイコンサンプションなMotoGPがどれくらい開発費を使っているのかについてご紹介していきます。
1台のバイクにどれくらいの開発費をかけているの?
バイクメーカーから販売されているバイクは、スポーツタイプのものからスクータータイプまで種類が豊富。開発費と言っても、一言で言い表すことができませんし、一般的に公表されているわけでありませんので、その実態は謎に進まれたままでもあります。
しかし、各メーカーが毎年発表する「研究開発費」を見てみると、おおよそどれくらい新車の開発に費用をかけているのかがイメージできます。
ホンダの、「研究開発支出」を見てみると、次のようになっています。
- 2015年度・・・約7,198億円
- 2016年度・・・約6,853億円
- 2017年度・・・約7,307億円
- 2018年度・・・約8,200億円
ホンダの場合は自動車や飛行機、さらに汎用製品も生産していながらも、厳密な費用分配比率は公開されていないため、正確にどれくらいバイクに費用をかけられているのかはわかりません。ただ、ホンダにとってバイクの存在は非常に大きいため、かなりの費用がかけられていることは間違いないでしょう。
開発費って何が一番費用がかかるの?
毎年莫大な開発費用をかけながら開発されているバイク。一番費用がかかるのは、量産するための機械設備だと考えられます。特に一番費用がかかるのがエンジンの製造設備を整えることなんです。数え方によっては何万点もの部品を抱える心臓部ですから不思議ではないですよね。
シリンダーブロックの機械加工ラインやコンロッドの製造ライン、トランスファーマシンと呼ばれるものがいくつも必要となります。これだけの設備費用だけでも数十億円とも言われています。
他にも、バルブやピストン、ラジエターやホース類など、関連会社に依頼することが多いため、外注費用もかかります。今でこそ部品のモジュール化が進み、部品も大きなまとまりで納品されるため、コスト削減自体はできているものの、それでも多額の費用がかかります。
実はとんでもないMotoGPの参戦費用
大手バイクメーカーの中でも多くの開発費を費やしているのが、MotoGPの参戦費用とも言われています。こちらも一般的には公表されていませんが、ここ最近好調なホンダワークスの場合、年間約40億円もの費用が使われているとも言われています。
また、ヤマハやドカティワークスはそれよりも若干劣り、サテライトチームやプライベーターは、さらにここから半分以下の予算で戦っているようです。
いかに大企業といえども年間ウン十億円もの出費は痛みを伴います。実際にカワサキはMotoGPによる費用対効果が薄いと判断したのか、撤退したまま帰ってきてはいません
ちなみにMotoGPではなく、市販車ベースのWSBであれば、MotoGPの半分程度の費用で収まるとも言われています。いずれにせよ、バイクを作ることだけでなく、モータスポーツ活動にも多額の費用が使われているということがわかりますね。
やはりメーカーにとって、各地域でのバイクレースで結果を出すということは、販売促進や製品開発という大きな意味があるのではないでしょうか?そう考えると、場所によっては高額な費用を投入してでもバイクレースをする意味が十分にあるとは考えられます。
まとめ
魅力的なバイクを開発するには、ある程度の開発費用をかけなければいけません。特に新規でバイクを開発するとなると、その費用は数十〜数百億円にものぼるでしょう。それだけお金も時間もかけて開発しているバイクは、しっかり売って元を取らなければいけません。
私たちには考えられないような大きなお金が注ぎ込まれているバイクの開発費。そう考えられると、自分のバイクもメーカーが想いや時間、費用を込めて作られたバイクだとわかりますので、今よりもっと愛着が湧くかもしれませんね!