カブの伝説エピソード特集【壱】カブ開発を言い出したのは本田宗一郎さんではなかった!?

今や郵便屋さんのバイクとしても有名で、街中で必ず見かけるあのバイクといえば…… そう!ホンダのスーパーカブです!

現在は50cc・100cc・125ccと3種類の排気量がラインナップされており、ビジネスからレジャーまで幅広い世代に愛されています。

 

そんなスーパーカブは1958年の生誕から60年以上経過しており、国内だけにとどまらず、タイやインドネシアなどの東南アジアでの需要も高く、何と世界での累計販売台数は何と1億台を突破しているのです!

そんな生ける伝説とも言えるスーパーカブの誕生秘話を全5回にわたってご紹介しますので、雑学ならぬカブ学をぜひご堪能ください!

 

藤澤武夫さんは隠れたホンダの社長と言っても過言ではない

ホンダといえば創業者の本田宗一郎さんを真っ先に思う浮かぶと思いますが、実はもう一人社長がいたのはご存知でしょうか?しかもカブの開発を言い始めたのは実は本田宗一郎さんではなかったのです!

 

本田宗一郎さんは技術者であるため、販売や広告など売ることに関してはほとんど知識がありませんでした。そのため、開発担当の本田宗一郎さんと販売担当の藤澤武夫さんと二人三脚でホンダを引っ張っていました。

実はカブの開発を促していたのは当時専務の藤澤武夫さんだったんですよね。

 

当時、新しいバイクの開発のヒントを得ようと宗一郎さんと欧州視察に出かけていたとき、欧州はスクーターやモペッドなどの小型バイクが主流でした。

ホンダはこれに属さない新しいバイクを開発する!と藤澤さんは宗一郎さんに提案しました。

 

最初はうるさがっていた宗一郎さんも視察を重ねるうちに「これはどうだ?」などとだんだん火がつき始め、新製品としてのイメージを膨らませて開発に着手し始めることに。宗一郎さんの行動を促した藤澤さんさすがですね……!

 

そうして開発されたスーパーカブは、次の3つのコンセプトが掲げられました。

  • 日本は道路が悪いからエンジンの馬力は4馬力
  • 悪路でも乗りやすい頑丈なもの
  • そば屋さんが片手で運転できるバイク

こうして高出力で低燃費のエンジンや丈夫な車体、そして何よりクラッチ操作不要の自動遠心クラッチ付きミッションという当時の革新的な技術が開発されたのです!

 

専務の藤沢武夫は「これなら3万台はいくね」と確信した!

宗一郎さんが研究や開発に没頭できたのは、この人物がいたからこそであり、藤沢さんがいなければ現在のホンダはなかったのではないでしょうか?そんな販売の神様と言える藤沢さんがモックアップモデル(試作段階の模型)のカブを見たときに真っ先に放った言葉……

 

「これなら3万台はいくね…!」

 

当時ホンダの二輪販売台数年間4万台だったため、開発スタッフは年間3万台売れると解釈しましたが、藤澤さんは何と月に3万台売れると予想したのです!驚異的なのが、実際はもっと売れたといわれており、翌年には易々と20万台を達成する快挙を成し遂げました。

 

手のうちに入るものをつくれ

当時自動遠心クラッチは全く新しい技術でしたので、開発が困難だったのは説明するまでもありませんが、宗一郎さんは決して開発に妥協することはなかったといわれています。その当時度々言われていた言葉が、「手のうちに入るものをつくれ」

 

それは、自分の身体の中や手の中で持てるようなものを作るという意味で、所有者が生活の中で取り入れることができる身近なバイクという意味を込めて「手のうち」と言っていたそうです。そう考えると、当時のそば屋さんが出前で使えたり、ミッション付きのバイクの運転が苦手な女性でも乗れるバイクを作りたいという強い意志が込められて開発されていたのが伝わりますね!

 

また、こんな話もあります。開発スタッフや宗一郎さんが毎日毎日理想の機構を議論し、時にはアイデアが黒板からはみ出して床にまでチョークで書き出してしまうほどの熱量だったそうです!その光景を見た人も次々と議論に参加し始め、意見を言い始める…… そのようにしてアイデアが形になっていったといわれています。

 

このみんなが参加してワイワイガヤガヤ会議をすることからホンダの社内ではよく「ワイガヤ」という言葉が使われているのは有名な話ですね!まあ当時は宗一郎さんの「バカヤロウ!」の声も良く飛び出したともいわれていますが……!

 

まとめ

今やスーパーカブは世界でも活躍するほどの人気がありますが、その理由として開発当時に「手のうちに入るものをつくれ」というコンセプトで誰でも乗れるバイク作りがされていたことから、途上国の東南アジアやアフリカなどでのニーズにも応えられ、このような成果に結びついたと考えられます。

 

当時の開発エピソードはたくさんありますが、今回はこの辺までとして次回は、スーパーカブといえば「おなじみのあの形」についての伝説をご紹介します!

本田技研工業株式会社

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