バイクにもエンジンに代わる新たな動力としてモーターが採用されることも増えてきた昨今。原付やスポーツタイプなど、様々なジャンルで電動バイクがどんどん登場しています。電動バイクを使ったロードレースの世界選手権MOTO-Eも開催されているほどだし、業界全体が進むべき方向性を決めてきたんだろうな~なんてことを考えながらYouTubeを見ていたら、気になる映像が……。
電動VSエンジンのガチンコ対決
https://www.youtube.com/watch?v=5IDF8GKS1as
動画は林道を複数のモトクロッサーで競争するというもの。一見ただのモトクロッサーのように見えますが、よく見てください。右側のバイクはサイレンサーが付いていないのがわかります。そう、この映像には電動モトクロッサーが登場するのです。しかも2スト、4ストそれぞれのエンジンを搭載するバイクと勝負を始めてしまいます。
- 電動バイク・・・ホンダ CR125(モーター仕様)
- 2ストバイク・・・スズキ RM125
- 4ストバイク・・・スズキ RMZ250
この3台がガチバトルすると、果たしてどれが勝つのか気になるところ。まさに新旧動力対決!気になる結果は映像を見てからのお楽しみということにしておきますが、電動バイクでモトクロスをするのはなかなか珍しい映像でもあります。
筆者は一時期モトクロッサーバイクに乗っていた経験もありますので、非常に興味深いものがありました。そこで今回は、電動モトクロッサーをじっくり見て気になったところも併せて映像についてご紹介していきます!
電動モトクロッサーの気になるところ
電動バイクは動力がモーターですので、エンジンの性質と大きく違います。
具体的には次の通り。
- エンジンブレーキが効かない
- 発進時が一番トルクが大きい
- クラッチ操作がない
- 走行中は動力の音が聞こえない
このことを踏まえて映像を見てみましょう。
エンジンブレーキが効かない
エンジンブレーキはスロットルを閉じることで生じる減速力のことを言います。「ブレーキ」と言われるくらいですので、走行中に有効活用することもあります。
しかしこれはエンジンだからこそ発揮される力。モーター駆動ではエンジンブレーキは発生することはありません。その代わりと言ってはなんですが、リアブレーキを多用しているように見えます。
もちろんエンジンブレーキとリアブレーキは少し特性が違います。電動モトクロッサーの方が減速時に少し苦労しているようにも見えるのはこのためかもしれません。
発進時が一番トルクが大きい
モーターは発進時に最も高トルクを発揮しますので、ゼロスタートは電動モトクロッサーに軍配が上がるようです。そう考えると、高回転が求められるロードレースよりもモトクロスの方が電動化に向いているかもしれませんね。
クラッチ操作がない
モーターはエンジンのように常に回転している必要がないので、クラッチ自体も存在しません。ハンドルの左部分は何も付いていないのがわかります。
走行中は動力の音が聞こえない
電動モトクロッサーは当然ながらエンジン音がありません。しかしモトクロス走行では完全に無音かというと、決してそうではないんですよね。なぜなら土の上ではタイヤが砂利を蹴る音や枝を踏む音が聞こえてくるからです。
地面の音がしっかり聞こえてくるので、音で路面状態を把握するなんてことが当たり前になるかもしれませんね。
しかし相手からすれば遠くからバイク迫ってきてもわからないため、気付かないなんてことも考えられます。林道を走る時は突然何かが飛び出してきても対応できるように気をつけなければいけませんね。
まとめ:電動とエンジンの違いもチェック!
今回の映像を見てみると、電動バイクはガソリンエンジンのバイクに負けない魅力があることをひしひしと感じさせてくれます。激しいエンジン音が聞こえてこないためちょっと寂しい気もしますが、エンジン車ではマネのできない出足の速さはやっぱりたまりません。
新旧動力対決のゆくえも気になりますが、電動モトクロッサーならではの特徴も踏まえて見てみると、さらに楽しめますよ!