以前別の記事でも紹介したカスタムバイクショップのDroog Moto。
今回紹介するのはDroog Motoが製作した電動タイプのスクランブラースタイルバイク、通称E-SCRAMBLERです。日本国内では電動バイクを見かける機会はまだ少ないですが、画期的なこのE-SCRAMBER、一体どういうバイクになっているのか、見ていきましょう。
ベース車両のEmpulse Rについて
E-SCRAMBERのベース車両として使われているのはブラムモのEmpulse Rという電動バイクです。なおブラムモ社は2015年に電動モーターサイクル部門をPolaris Industriesという会社に買収されていて、ベース車両となったEmpulse Rは前CEOのCraig Bramsche氏が携わったモデルになります。
世界初となる電動ドライブトレインが採用されたバイクである、これがEmpulse Rの大きな特徴です。水冷式ACモーター、高性能なIET製6速トランスミッション、選択可能な2つの走行モードなども注目点として挙げられています。
重厚感のあるイケイケなスクランブラースタイル
E-SCRAMBLERをパッと見ると、前面に押し出された重厚感の高さが印象的です。
フロントフォーク(これは純正)はゴールド系のカラーリングですが、バイク全体のメインのカラーはブラックとなっています。そのようなカラーリングということもあって、使われているボルト類もデザインにアクセントを与えているなど、デザインとしての完成度が高いです。
側方と後方から見たときのリアサスがむき出しになっていて、純正には無いメカニカルなデザインが際立ちます。
メカ的なポイント
カスタムにあたってのメカ的なポイントをまとめてみたいと思います。
まず1つ目はフェイクタンクカバー。燃料タンクではなく、電装部品をまとめておくためのもの。電動バイクで燃料タンクは必要ないため、フェイクという言葉が使われていると考えられます。
2つ目はヘッドライトとフェンダー。純正ヘッドライトとリアフェンダーは取り除かれて、新しいものが採用されています。これにするにあたって、新たにサブフレームとシートを作り直したとのこと。
3つ目は地上とのクリアランスが増やされている点です。狙いとしてはオフロード走行時の安全性を考えてと考えられます。実際、装着されているタイヤはノビータイヤ(日本で言うところのオフロードタイヤのこと)です。
4つ目はフレーム下部分に装着されているワンオフのスキッドプレート。オフロード走行を念頭に置いたバイクなら定番です。見た目だけでなく、実践型オフロード車両としての性能が期待できます。
5つ目はハンドル周り。1と1/8インチのハンドルバーが採用されています、中央部分には調整に使うメモリも有ります。ブレーキレバーとシフトレバーがショートタイプに変更されていて、これなら転倒してもレバーが折れる確率は低く、転倒しても無事に家まで帰ることができそうです。
近未来的・実用的なスクランブラーカスタム
デザイン的にもメカ的にもスクランブラーバイクとしてオフロードでの活躍が期待でき、内燃機関を持たずに電動化されている、まさに本格・電動モーターサイクルの名がふさわしいバイクです。ところどころに純正仕様の部品が残されている点も、ポイントのひとつではないでしょうか。新しい物好きなオフロードバイク乗りなら、ぜひ一度は乗ってみたいところです。