ペダル付き電動バイク「グラフィット」に新展開。ノーヘルで乗れるようになるかも

折り畳み電動バイク「GFR-01」で知られる、スマートモビリティメーカー「グラフィット」。2017年にクラウドファンディングで1億円超という、巨額の支援を集めたことをはじめとして話題に事欠かない同社がまたやってくれました。なんと「原付区分のペダル付きバイクでもノーヘルで公道を走れるようになる」という法規制の緩和を成し遂げたのです。

 

電動バイク扱いと自転車扱いを切り替え可能に

もちろん、モーターのパワーを利用した走行でノーヘルが許されるわけではありません。あくまでペダル走行した場合のみの話。いわば、電動バイクと自転車を相互にチェンジできるようになるという形なんです。

 

グラフィット「GFR-01」自転車モード バイクモード切り替え

そもそもグラフィットの電動バイクには切り替え可能なモードが用意されています。モーターの力による走行、人力のみのペダル走行、アシスト込みのペダル走行の3つです。このうち、まったくアシストを用いないペダル走行は人力のみという観点からすると、本来なら自転車と同じ扱いでもいいハズ。

そこに着目したグラフィットは、当時の法規制内で「GFR-01」が自転車として扱えるよう、モーターの機能を封印したテスト車両を用意。新技術の普及を目的に迅速な法規制の見直しをはかる「サンドボックス」制度を利用して、和歌山市で2019年11月〜2020年1月まで実証実験を行っていたんです。

 

実験参加者の8割が「自転車相当にすべき」と回答

グラフィット「GFR-01」自転車モード バイクモード切り替え

今回の実証実験ではテスト車両を貸し出し、参加者が市内の公道をヘルメット着用して走行。そこから規制緩和へのニーズや意見の収集を行うといった形でした。

結果、参加した107人のうち、約80%が「ペダル走行時は自転車相当」「自転車専用道や自転車通行可の歩道の走行等を認める」「規制緩和をすべき」という回答に。「遅いペダル走行では、車道に出ても運転者が身の危険を感じるだけでなく、スムーズな交通への妨げにもなる」というのがその理由です。車道を走行するにはある程度のスピードが必要で、交通の流れに乗れないとかえって危険であると考える人が大半ということでしょう。さらに「自転車相当のスピードなのだから、自転車と同等の規制にすべき」という意見も。

 

一方、規制緩和すべきでないという意見も約16%存在。いくらモード切り替えで性能を抑えられるとはいえ、考えもなく自転車専用通行帯をモーターの力で飛ばしていく人もでてくるのでは……といった懸念があるのかもしれません。

 

バイクモードと自転車モードを明示

グラフィット「GFR-01」自転車モード バイクモード切り替え

こうした検証のかいもあり、とうとう現行法令の新解釈として認可が下りました。許諾の要は電動バイクと自転車の切り替えを明確にする新機構の実装。グラフィットによると、下記3つの主要機能をもっているとのことです。

  1. モーターが駆動しないことを電⼦的な制御のみではなく、電源をカットする機構により担保。
  2. 他の交通主体における識別可能性及び視認性(=⾃転⾞であるか原付であるか)を確保するため、1の時には、ナンバープレートにカバーをかけ、及び、交通標識デザインに沿ったピクトグラムで⾃転⾞であることを明確に⽰す。
  3. ナンバープレートのカバーの切り替えは、電源を切った状態で、停車中にのみ可能。※自転車⾛⾏を装って電動駆動により⾛⾏することを防⽌するため、利⽤者においては容易に改造できないようにする。

 

ナンバープレートに表示が集約されているので後方に回らないとわからないですが、切り替えはあくまで電源OFF時のみ。モーターへの通電も連動しているので、これなら「モードを偽って走ってしまうのでは……」という心配もありません。

ペダル付き電動バイクの自由度が高まる今回の規制緩和。グラフィットを街で見かける機会がまた多くなりそうです。

石川 順一

石川 順一

理学の博士号をとったものの、趣味が高じてライター稼業に流れてきた変人。やっぱりクルマとバイクにはロマンがあるよね。