旧車乗り歓喜!あのエンジンシリンダー近代化(モダナイズ)加工が永久保証になるってホント!?

旧車乗りなら思わず目を見開いてしまうニュースが飛び込んできました。職人的なオーバーホールで定評のある井上ボーリングが、エンジンシリンダー加工サービス「ICBM®」に永久無償修理制度の導入を検討しているというのです。

 

ICBM永久無償修理になる!! マジで!?

純正の鋳鉄スリーブに比べて23倍もの硬度と耐久性を持つアルミメッキスリーブに変更することで、軽量かつ放熱性と滑りが良く、焼き付きにくい。ICBMはまさに旧車乗りには理想のシリンダーです。2000年以降のFI車ではほぼアルミメッキスリーブになっていることからも、それはもう現代においては標準的な加工といえます。まさに旧車の近代化(モダナイズ)!

そんなサービスが永久保証なんてどういうことなの!? 井上社長に詳しいお話を聞いてきました!! 以下Q&A形式でお送りします。

 

Q:なぜこうしたサービスを始めたのですか?

A:「僕はブルタコにも乗っているのですが、部品は何でも手に入ります。アメリカにもイギリスにも好きな人がいっぱいいてショップがあって、ピストンでもなんでも作っていて、メールを送れば1週間でなんでも揃うんですね。『メーカーが出さないからそれで終わりなんだ』というのでは本当に終わってしまう。それなら『自分たちでなんとかしようよ』って思うんです」(井上社長)

 

Q:シリンダーで永久保証とは如何に?

井上ボーリング ICBM

井上ボーリング社長 井上壯太郎氏

例えば時計の例でいうとクオーツ(水晶振動子を用いた時計)はダメになってしまうと直しようがありません。だけど機械式(ぜんまいばねを使用した手巻や自動巻時計)は部品を作れば一生使えます。高級時計のメーカーには(もちろんタダではないですが)永久保証を行っているところもあり、それは安心して購入できる指標なのも確か。ICBMの永久無償修理制度というのはそれに近いものなのでしょうか?

 

A:「これからは電気式バイクが出てくるでしょうけど、電気式がもの凄い価値を持つかというとそうではなくて、オートバイの世界ではいつまで経っても大事にされるのは永遠に乗れる機械式だと僕は思っています。そういう中で商売させて頂いているし、自分のところの製品には責任を持たなければならない。『ICBMは減らない』と謳っているのですから、これは永久保証にできると思ったんです」(井上社長)

 

Q:ICBMの永久保証はどんなもの?

井上ボーリング ICBM

鋳造シリンダーや普通のボーリングでは構造上どうしたって減ってしまいます。しかし井上ボーリングのICBMはアルミシリンダーに超硬度のメッキをかけているのでほとんど減ることがありません。それがICBMが減らないシリンダーと呼ばれている所以です。

 

A:「2016年ぐらいにICBMという登録商標をスタートして、今はシリアルナンバーが400を超えました。400件やってもクレームは一件もないです。ただ今年、車検に行った帰りに焼き付いたというお客さんがいて、それはオイルが途中から全く潤滑されていなかったのが原因でした。そういう『何かが噛み込んでオイルが回ってなかった』とか『セッティング不良』といったものは補償対象外ですが、ICBMの正常な使用で使用限度を超えたものは保証しようというものです」(井上社長)

 

Q:トラブルにも手厚く対応してくれるってホント?

井上ボーリング ICBM

アフターサポートに関しても筆者だけにコッソリと話してくれました。

A:「自分で何かガリっとやってしまったという人でも、半値くらいで直してあげたいなと思っていますけどね」(井上社長)

 

安くはないICBMを入れるということはバイクへの知識もあって大切に扱う人だという証。それだけバイクに対する愛情も強く、気を使っているということだから、永久無償修理制度にしても商売が成り立つといえるのでしょう。

 

おまけ:最後にチョット値上げの話も…

井上ボーリング ICBM

昔は内燃機連合組合というものがあり、日本中の内燃機屋さんが結託して一同に値上げをしていたものの、今は内燃機屋の数も減って機能していないそうです。今は値上げのタイミングはそれぞれのお店次第になっているとのこと。井上ボーリングでは4年前に値上げして、その前は10年前だったそうですが……。

 

「2020年秋に内燃機工賃2割アップします。ウチは内燃機屋として、今後とも、質の高いサービスを提供し続けたいので値上げさせて頂きます」(井上社長)

 

井上ボーリング ICBM

もちろん安い方がありがたいですが、良いものを求める人に向けた「ある程度値段を出しても構わない」という選択肢があるということは大切。井上ボーリングの技師が「自信持って仕事をする」という、その一つが今回のICBMの永久保証にも繋がっているのです!!

井上ボーリング

公式サイト

NANDY小菅

NANDY小菅

各種バイク誌で活躍しているフリーライター。バイクとアニメの探究者で著書に「アニメバイク本」、「ご奉仕大好き! メイド本」など。所有バイクは15台くらい。