前回の『夏に最適な伊良湖のツーリング・スポット【前編】』に続き、伊良湖のツーリング・スポットで紹介したいのが、渥美半島の中程に位置する田原市にあり、昭和の初めより花街として栄えた福江に宿を構える「和味の宿 角上楼」である。
趣のあるレトロな宿「角上楼」
約3,000㎡の敷地内には昭和元年に建てられたという風情溢れる本館「角上楼」と、2005年に建てられた全室露天風呂付の「翆上楼」、「雲上楼」と、3つの棟で構成された純日本旅館である。
渥美の豊富な恵みを活かした究極の一品
角上楼の料理は”地産地消”に徹している。伊良湖で水揚げされたばかりの時節に合った最良の地魚を、毎日主人自らが目利きして仕入れている極上素材から作り上げられる魚料理がウリの一つだ。なにより旬の海の幸を最良の調理で提供してくれる料理はまさに絶品の一言。
日本一の天然物の水揚げを誇る極上とらフグを筆頭に、紅色に耀く春のノドグロ、初夏の釣りタチウオ、冬の寒さに負けず悠然と巨躯を泳がすカンクロ(クロダイ)やカンゴチ、桜を待たずして体に紅差すサクラダイなど、提供される絶品料理は挙げだしたらキリがないほど。
岩ガキ、大アサリ、カサゴや渥美豚を使った料理がスタンダード料理であり、渥美の郷土料理でもある「お糸路」に舌鼓を打ち、渥美牛の石焼ステーキのとろけるような柔らかさも一度は味わっていただきたい。
約150年前の蔵を改装したショットバー
本館の離れに位置する「バー和久楽」は、約150年前に作られたという日本蔵を改装した昭和レトロな雰囲気溢れるショットバーだ。夕方16時から17時半の間はハッピーアワーが毎日開催され、お得にビールを飲むことができる。
夜になればオリジナルカクテルはもちろん、”利き酒師”の資格を持つ主人自らが厳選した日本酒から、焼酎やスコッチなどで、訪れる客を歓待してくれる。全国の地酒やワイン、ウイスキー、シャンパンなども取り揃えている。
花街としての面影はすでに失われて久しいが、この「角上楼・本館」は、昭和元年創業当時の趣を今日に留めている。
作りモノとは異なるノスタルジックな雰囲気を存分に感じつつ、現代社会が失ってしまった、ゆったりと流れるトキを味わうには最適の宿といえるだろう。
【関連記事】
参考 – 和味の宿 角上楼