人口当たりのバイク普及率が世界ナンバー1の台湾。台湾に行った事のある方ならご存知だと思いますが、とにかくバイクの多さに驚きます。そしてバイクの為のインフラがとても充実しているのにも驚きます。そんなバイク王国である台湾で圧倒的なシェアを誇るメーカーと言えば「KYMCO」です。
KYMCO(光陽工業)は2019年の台湾二輪車市場における販売台数が第1位。そして2000年から20連覇というから、もう台湾では向かう所敵なしです。今回は、台湾におけるKYMCOの凄さについてお伝えしたいと思います。
KYMCOとはどんな会社?
1964年に台湾高雄市で光陽工業として設立されました。その後、ホンダとの業務提携で「光陽機車HONDA」としてブランドを展開していました。1992年に会社名の「Kwang Yang Motor CO.,Ltd.」から頭文字をとりKYMCOとして世界にブランドの展開をはじめました。
現在では107の国と地域でKYMCOのバイクは販売されています。意外にも日本市場への参入は遅く、日本での知名度は低いかもしれません。2015年に現地法人KYMCOジャパンを設立。日本でもセールスを展開しています。
KYMCOのライバルメーカーたち
KYMCOを筆頭に、三陽汽車(SYM、サンヤン)、台湾山葉(台湾ヤマハ)が台湾のバイク市場を占めていると言っても過言ではないでしょう。台湾の市内で走っているスクーターを見ても、やはりこの3社のバイクが占めています。その中でもKYMCOは市場シェアの31.8%を占めています。
ヤマハのスクーターも人気があり、日本でお馴染みシグナスXは市内でもよく見かけます。
ホンダのバイクは無いのか?と思う方も多いと思いますが先述した通りKYMCOはホンダと業務提供していて、技術供与を受けています。またSYMもホンダから技術供与を受け、自社ブランドを立ち上げました。
そして、ホンダは2003年に台湾市場から撤退をしています。そして2017年にホンダは台湾市場に再上陸しますが、ほぼ大型バイクでスクーターを扱っていないため、ここには名前が挙がりまんでした。
最近では、大型バイクも台湾で人気があるようですが、やはり台湾の人達の生活と切り離せないスクーターはレベルが違います。
台湾でKYMCOってどれくらい凄いの?
2019年1月から12月までで、すべての月で販売台数1位。4年連続で30万台を売り上げているKYMCO。2019年の1年間の売上台数をメーカー別でみてみると一目瞭然です。
KYMCO:300390台 (33.3%)
ヤマハ:197512台 (21.9%)
SYM:187996台 (20.8%)
この数字を見る限り、台湾市場でのKYMCOは、まさに無双状態と言えるでしょう。
ガソリン車か?電動車か?
台湾市場における新車販売台数は90万2,302台。その中でガソリン車が73万3,760台で81.3%、電動車が16万8,542台で18.7%となっています。
台湾政府が2030年までにバイクの全面電動化の方針を打ち出したため、電動バイクが普及し始めています。KYMCOはカートリッジ式電池方式のスクーターを発表するなど、急激にではありませんが徐々に電動化に動いているようです。
電動化ではGogoroというメーカーが急激に伸びていて、充電ステーションのインフラを構築したり、スマホのような販売形態をするなど新たな試みで話題となっています。
創設者がスマホメーカー出身者なので、スマホを販売するようにスクーターを販売しているのが若い世代に受け入れられているのかもしれません。現在では無双状態のKYMCOですが、今後バイクの全面電動化に向けて、どう動くのかが注目されます。