残暑が嘘のように消え去ってしまうと、一気に秋が深まって来た。こうなるとバイク乗りには辛い季節が目前となる。寒さや指先の痛みには耐えられるが、凍結や積雪はタイヤ二つの乗り物ではいかんともし難い。
そうなる前に走りたい道が浅間山にある。バイク好きにはたまらない、貴重なバイクが勢揃いする浅間記念館もあり、近隣の道も気持ち良く、キャンプ場だってバッチリある。記念館は11月で閉まってしまい、来春までは開かない。道も朝晩は凍結の心配があり、いつ雪が降るかわからない。というわけで、今シーズンラストランは浅間山で決まりだ。
まるでアメリカを走っているような気持ち良さ
浅間山に向かうには軽井沢経由がわかりやすいだろう。上信越道の碓氷軽井沢から軽井沢を抜け鬼押ハイウエイに入ると、最高に気持ちの良い道になる。
浅間山を目前に、真っ直ぐな道を走れば気分はもうアメリカ。そこから降りれば記念館も目の前だし、記念館から北軽井沢方面に山を下りても途中の長い直線道路がある。まるでバイクで走るために作られたのではないかと錯覚するほどだ。
浅間記念館
記念館の入場料は300円。入るとすぐ目の前に「陸王」が鎮座している。先日も実際に走行した、飾り物だけではない実働の「陸王」だ。
ハーレーから設計図を買って作られた「陸王」は、当然、ハーレーと同じエンジンを搭載されるが、この記念館にある「プロトタイプ陸王」には日本で開発されたエンジンを積まれている。残念ながら、この日本製エンジンが採用されることはなかったものの、それゆえにこの「プロトタイプ陸王」は、世界に一台しかない超貴重なバイクなのだ。その他にも赤バイやレーサー、「カタナ」や「Z」など、バイク好きにはたまらないラインアップが展示されている。
キャンプ場もばっちり
記念館のすぐ下にはキャンプ場もある。水洗のトイレにシャワーも完備された最高に気持ちの良いキャンプ場だ。バイクの隣にテントを張れるという、バイク乗りには最高の環境も整っている。近くには草津温泉や、国道では日本で二番目に標高が高い渋峠などもあるので、気持ち良く走れる道には困らない。
さぁ、冬将軍が訪れる前に走ってみよう。