国内でもゼロモータサイクルズやスーパーソコといった気鋭のメーカーの上陸により、にわかに勢いづきつつある電動バイク市場。その中で、ハーレーが打ち出した初の電動バイク「ライブワイヤー」は2018年の発表以来、アメリカンクルーザーの未来を呼ぶモデルとして熱い注目を集めています。北米や欧州ではすでに市販化済みですが、日本へも2021年春に上陸予定となっており、今から心待ちにしているファンも多いことでしょう。
そんな同モデルについて、驚くべきニュースが飛び込んできました。なんと、市販電動バイク世界最速記録を樹立したというのです。
記録は最高の女性ドラッグレーサーに委ねられた
その舞台となったのは、アメリカはインディアナポリスに位置する「ルーカスオイルレースウェイ」。そこで開催されたドラッグレース「NHRA デンソー・スパークプラグ U.S. Nationals」でのエキシビション走行中に記録は打ち立てられました。
ライダーはハーレーのレーシングチームに所属する、アンジェル・サンペイさん。これまで50個近いタイトルを獲得している著名なドラッグレーサーで、モータースポーツ史上最高の優勝記録を持つ女性です。
直前まで乗車していた、ハーレーのスポーツクルーザー「FXDR」のドラッグレース仕様を降りて、ドノーマルのライブワイヤーに跨ります。
小柄な彼女がつま先立ちでスタートラインに立ち、リアタイヤをバーンアウトさせる姿はなんとも圧巻です。しかも、ライブワイヤーに乗るのはこれが初めて。彼女はそのときの興奮を次のように語っています。
「軌道に乗るのが待ちきれませんでした。LiveWireはとても乗りやすいです。スロットルをひねるだけ。本当にそれだけで(ぐんぐん加速して)行くんです!」
プロのドラッグレーサーでも、電動バイクの加速性能は驚きに足るものだったということでしょう。
チームメンバー同士によるガチレース
エキシビジョンでは、サンペイさんの他にチームメイトのアンドリュー・ハインズさんとエド・クローウィックさんも参加。本番さながらのドラッグレースを繰り広げました。
結果、勝利したのはやはりサンペイさんでした。しかもおおよそ200mを7.017秒、400mを11.156秒で走破し、トップスピードは177.6km/h強をマーク。ドラッグレースにおける市販車世界最速記録を樹立しました。
カタログスペックとしても、ライブワイヤーの0-100km/h加速はたった3秒とスーパーカー並。今回の新記録はそれが誇張でないことを証明したことになります。最大航続距離も1充電で最大235kmと実用性も十分ですし、導入されれば日本の電動バイクシーンが一層賑わうことでしょう。