一昔前はロードレースといえば、バイクの免許を取得してようやく始められるといった流れでしたが、バイクレース業界は低年齢化が進み、13歳や14歳でロードレースデビューする子供も増えてきました。
中学生くらいの子供がサーキットを250km/hで駆け抜けると考えると、ちょっと別次元の人間を想像してしまうのではないでしょうか?
しかし、世界のバイクレース事情を見てみると、平均年齢を見てみると、小学生くらいのライダーがエントリーするミニバイククラスが盛んに開催されているのも事実です。
特にバイクレースの本場でもあるヨーロッパでは、ミニバイクのヨーロッパ選手権「MiniGP50」の低年齢化がハンパではありません!以下の動画内では、かなり小さい子供もバイクに乗っているのがわかります。
8歳以上であればエントリーできるこのクラスは、ほとんどが小・中学生。自転車に乗る練習よりもバイクに乗る練習をさせる風習があるのかよと言わんばかり低年齢層で構成されているんですよね。
しかも、世界を見据えたスーパーバイククラスも開催されているBSB(ブリティッシュスーパーバイク選手権)がオフィシャルパートナーとして協賛しているため、次世代の若手を発掘・育成するレースとしてかなり注目されています。
そこで今回は、ご紹介したヨーロッパのミニバイク選手権動画を見ていきましょう!
MOTOGPさながらの選手紹介に本気度を感じる!
さすがBSBがオフィシャルパートナーと言うべきか、動画での選手紹介はMOTOGP中継さながらのリナルな演出となっています。めちゃめちゃカッコいいですね!しかも登場する選手のほとんどが小学生くらいの年齢だそうです。
また、コースはミニバイク専用のコースですが、1周がかなり長く、様々な大小様々なコーナーが組み合わされているテクニカルな構成となっています。テクニカルなコースは技量の差が大きく出るため、レース終盤は周回遅れの子も出てくるため、まるで耐久レースのような光景。
スタート形式ももちろん本格的なレース同様、サイティングラップからグリッドに付きます。さすがにグリッドに付いたらお父さんやオフィシャルの人たちがギアがはいっているかの確認をしたり、倒れないように支えたりと、子供のレースならではな微笑し面も見られます。
スタートの時はふらついたりフライング気味の子がいたりと、若干あどけなさが残りますが、エンストすることもなく、全員見事にスタートを切ります。
50ccクラスのミニバイクですが、子供が乗るとビッグバイクに乗っているように見えますね!上位陣の子供の腕前はかなりのもので、しっかりしたライディングフォームでコーナーをひらひらと通過していきます。
しかも動画内で優勝した子供はなんと7歳!小学2年生が優勝しちゃう世界なんですね!バイクレースは体重の軽さも大きく左右されますので、小さい子の方が有利だったりすることも少なくありません。
とはいえ、優勝したこのライディングフォームや走りを見てみると、大人顔負けのテクニックを持っています!将来世界に羽ばたくライダーになるかもしれませんね!
ミニバイクは小径ホイールとハイグリップタイヤでコーナリングが速く走れるバイク
ここでちょっとミニバイクについてご紹介しますね。ミニバイクは文字通り小さなバイクで、タイヤも車体もかなりコンパクトに作られていますので、手足が短い子供でも問題なく運転できるようになっています。
また、一般的なバイクのホイール系は17インチが多いのですが、ミニバイクは12インチのサイズですので、かなりクイックに旋回できるのです。
しかもタイヤも専用のハイグリップタイヤを装着しているため、よっぽどのことでない限り走行中にスリップすることはありません。そのため転倒しにくく、安全に技術が習得できるバイクとも言えるでしょう。
ただし、反対にグリップ良いタイヤとパワーが無いエンジンの組み合わせのバイクは、旋回中にラフなアクセルワークで走らせられるのも事実。
もちろんミニバイクで速く走らせようとするのであればこの特性を利用した走り方になりますが、いずれロードレースにステップアップするのであれば、ミニバイクの走らせ方だけでは、かえって危険を伴うこともあります。
なぜならロードレースのバイクはエンジンパワーの方が大きく、ラフにスロットルを開けるとあっという間にタイヤが滑ってしまうから。
そのためミニバイクレースで抜きつ抜かれつの駆け引きを勉強し、バイクのコントロールはモトクロスやダートトラックなど滑りやすいオフロード路面を走ってトレーニングすることが主流となっているのです。
実際小さいうちから英才教育されている子供は、ミニバイクとオフロードの両方を並行しておこなっていることが多いようです。
まとめ:レースの本場ヨーロッパでは子供のうちからロードレースを始めるのは意外と普通
レースの本場ヨーロッパでは、子供のうちからレースができる環境が揃えやすいため、教育の一環として子供のうちからレースをさせる親御さんも多いそうです。
そのため今回ご紹介したレースの風景は決して珍しいことではなく、非常的に行われている行事の一つでもあるのです。世界で活躍するライダーがヨーロッパ出身なのも頷けますので、ぜひとも日本でもこの風習が広まってほしいところですね!