【2019年発売予定】ドゥカティ「パニガーレ V4 R」は芸術品!公道を走れるレーサーなんて物じゃない!

公道を走れるスポーツバイクとサーキットを走るレーシングバイク。その距離感の近さがイタリアンバイクの魅力の一つであることは、多くのバイク好きが知る所ではないでしょうか?

2019年発売予定のモデルをポツポツご紹介している筆者ですが、今回は、そんなイタリアンバイクらしさの極みとも言えるドゥカティ「パニガーレ V4 R」を取り上げてみます。あまりに凄いバイクですので、今回ばかりは無駄口は極力減らし、公式リリースベースで行きまっす!

 

「パニガーレ V4 R」はドゥカティ市販車史上で最速モデル!

ドゥカティ・ジャパンによる公式リリースは、こんな一文から始まります。

ドゥカティ「パニガーレ V4 R」は公道走行が可能な究極のレーシング・バイクです。これまでの“R”バージョンと比較すると、パニガーレ V4 R はさらにサーキット走行に特化しています。改良点は、エンジンとサスペンション・セットアップだけに留まりません。サーキットでの空力性能を向上するため、ドゥカティ・コルセがドゥカティ・スタイルセンターと緊密に連携して開発したエアロ・パックも初搭載されます

 

「パニガーレ V4 R」は公道走行可能なスーパーバイク世界選手権(WSBK)カテゴリーのレーシング・バイク。2019 シーズンを戦うドゥカティ・スーパーバイクのテクニカル・プラットフォームであります。スーパースポーツモデルの市販車「パニガーレ V4 S」をベースとしており、戦闘力を高めるべく、ドゥカティ・コルセが提案した数々の変更が適用されています。

ちなみにドゥカティ・コルセというのは、ドゥカティのレース部門を担う同社の子会社のこと。天才クラウディオ・ドメニカーリ氏を代表に据え、研究開発部門では、MOTO GPとWSBKを舞台に戦っておられます。

 

本モデルで搭載するのは、これまでの排気量 1,103cc・90度V4エンジンではなく、排気量998ccのデスモセディチ・ストラダーレ R エンジン。WSBK選手権のレギュレーションに合致する排気量、というのがポイントです。また、ドゥカティのみならず各社のMotoGPレーサーが近年搭載しているウイング・エレメントを備えるフェアリングも装着しています。

メカニカル調整機構を備えるレース仕様のオーリンズ製サスペンション、4 ポジション・ピンによって調整可能なアルミニウム製スイングアームも採用。まぁ本車両の出自を考慮すれば、こんなものは驚くことではありません。

 

フロントフレームはドゥカティ・コルセの定める剛性目標を達成するために改良が。「パニガーレ V4 S」を踏襲する先進のエレクトロニック・コントロールは、閾値(しきい値)が見直され、プロのライダーの要求にも応えるものとされています。

ということで、ドゥカティでは毎年のことのようですが(笑)、同社製スーパースポーツモデルの最高峰モデル「パニガーレ V4 R」は、同社史上最強モデルとして生み出されたのであります。

 

「パニガーレ V4 R」のエンジンが極上過ぎる!

1,103ccのデスモセディチ・ストラダーレは、滑らかなパワー・デリバリーと秀逸な低回転トルクを持ち、公道走行時における最高の扱いやすさを念頭に置いていましたが……今回搭載する998cc のデスモセディチ・ストラダーレ R エンジンはサーキット走行を主眼とした出力特性に特徴があります。

後述しますが、技術的には、軽量な内部コンポーネントと吸気効率の高さが特徴。加速性能を高めるため、鋭い吹け上がりを実現し、レッドゾーンを高回転側に設定。その結果、最高出力は 221ps(162kW)@ 15,250rpm とされています。さらに、アクラポビッチ製ドゥカティ・パフォーンス・エグゾーストを装着すると最高出力は 234ps(172kW)@ 15,500rpm に
達します。とんでもない話です。

90度V4 エンジンは、42度後方に傾けたシリンダー、ツインパルス式点火、カウンター・ローテーティング(逆回転)・クランクシャフトを採用。

カウンター・ローテイティング・クランクシャフトというのは、クランクシャフトが逆回転することでジャイロ効果を減少させることでコーナリング性能を高める目的で、一部ハイレベルなレースを戦うレーシングマシンが採用する仕組みでございます。ボア×ストロークは81mm×48.4mmというショートストロークエンジンです。

公式リリースが……

公道走行可能なモーターサイクルのパフォーマンスの限界に挑戦します。

と言う通り、スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦するために開発されたこのエンジンは、MotoGPマシンに採用されるテクノロジーが投入されているのであります!

 

クランクシャフトは新設計されたスチール製鍛造。クランクウェブの薄さと形状にもご注目ください。「パニガーレ V4」のクランクシャフトより 1,100gも軽量に仕上げられています。90度の V レイアウトと、70度のクランクピン・オフセットは、デスモセディチ・ストラダーレのエンジンを踏襲。これにより、あたかも 2 気筒エンジンのような点火シーケンスが生み出されます。ドゥカティでは、この独特な点火順序を“ツインパルス”と呼んでいます。

 

4 本のチタニウム製コネクティング・ロッドの中心間距離は 104.3mmに設定されています。このコネクティング・ロッドは「パニガーレ V4」に採用されているスチール製と比較して、それぞれ 100 g 軽量化されています。

 

ピストンには、成形アルミニウム製を採用。それぞれ 1 本の圧縮リングとオイル・リングを備えた2本リングとされており、これには同社の言うところの“ボックス・イン・ボックス”テクノロジーが採用されています。

このボックス・イン・ボックス・テクノロジーにより、ピストンのスカート高さとピストン上面の肉厚を薄くすることが出来、必要な強度と剛性を確保しつつ、磨耗や慣性負荷を低減する役割を果たすのだそうです。具体的に、どういう技術なのかは不明です。筆者の勉強不足が露呈する部分であります……。

 

残念ながら公式画像がリリースされていないのですが……4 本のデスモセディチ・ストラダーレ R カムシャフトは、専用のカム・プロファイルを備えており、デスモセディチ・ストラダーレに比べてリフト量を増加しているそうで、16 本のバルブを駆動します(34mm 径チタニウム製インテーク・バルブ、27.5mm 径スチール製エグゾースト・バルブ)。バルブには、チタニウム製のハーフコーンが採用されています。

これは一般的にはレーシングバイクのみに採用されている手法。”R”バージョンのエンジンでは、シリンダー・ヘッドに専用の流体力学デザインが採用された結果、新しくより大きなインテーク・ダクトが開発され、適用されています。

 

専用の長さを備えた可変高エア・インテーク・ファンネルに接続された楕円形スロットル・ボディと、空力学的に最適化されたスロットル開口部(56mm 径相当、4mm の増加)を通してシリンダーにエアが供給されます。このメカニズムは、全回転域を通じて吸気を最適化することにより、パワー・デリバリーとハンドリング面で大きなアドバンテージをもたらします。

ということで、本エンジンが確かにドゥカティ・コルセとの緊密な共同開発作業により開発されたものであり、”R”バージョンのデスモセディチ・ストラダーレ・エンジンは、数多くの面でパフォーマンスが向上していることが分かります。

 

「パニガーレ V4 R」の車体もコダワリの塊!

続いては車体。この調子で続けて行くと1万文字を余裕で越えてしまい、誰も最後まで読んでくれなそうなので、駆け足で行きまっす。

まずはフレーム。小さっ!本車両では、ドゥカティでは良く使う手法ですが、エンジンを車体の強度メンバーとして機能するよう設計しているのです。「V4 S」に使われているフレームとは別物でして、金属切削により成形される軽量フレームです。ドゥカティ・コルセが定めた剛性目標を達成しつつも軽量化を実現しています。

また本車両は(公道は走れますが……)レーシングマシンですから、シャシ・セットアップを変更しています。具体的には、スイングアーム・ピボット高が調整可能とされています(2 ミリ間隔で4 ポジション)。ライダーのスタイルや路面・サーキットの状態にバイクを正確に合わせることが可能とするもの。

 

ここまで徹底的に作り込んだドゥカティの最高峰スーパースポーツモデルですから、もう機能部品については言及しなくても良い気がしますが……サスペンションのセレクトに関する考え方が面白いので、ご紹介しておきます。

「パニガーレ V4 R」では、サーキット走行を念頭に置いて設計されているため、「V4 S」に搭載されているオーリンズ製セミアクティブ・サスペンションをあえて採用せず……プロフェッショナルによる調整を前提としたメカニカル・ユニットを搭載しているのです。

フロントは、TiN 処理が施された専用のオーリンズ製 43mm径加圧式 NPX 25-30 フォークを採用。本製品はオーリンズの WSB レーシング・フォークにも採用されるシステムの派生品であり、加圧式ダンピング・システムを採用しています。従来型システムと比べるとオイル・キャビテーション発生の可能性が抑制され、路面の凹凸や波打ちの吸収力に優れ、制動時の安定性とサポートも確保されるため、フロントエンドの“フィーリング”が向上します。そしてリアショックにはTTX36 ショック・アブソーバーを装着。いずれのサスペンションも、マニュアル調整式です。

フェアリングにはウイングを搭載!

本来的には、先進のエレクトロニクス・テクノロジーの数々なんかも紹介しておきたいところですが、長くなるので止めておきまして……ここでは本車両のもう一つの特徴であるウイングレットについて。

「パニガーレ V4 R」の変更点におけるハイライトの一つであり、そのエクステリアにおけるポイントとなっているウイング。これは GP16(形状が規制される以前)に使用されていたウイング・コンセプトに基づくものであり、「パニガーレ V4 R」に採用されたウイングは、MotoGP で使用されたものと比較してもさらに効率が良くなっているのだとか。

 

モノプレーンのシングル・エレメント・ウイングは台形レイアウトとなっており、根元から先端にかけて徐々に細くなっています。ウイングのパフォーマンスは、縦方向に配置されたストレーキと、表面を流れるエアを“保護する”ウイングレットによってさらに引き上げられています。
フェアリングのデザインと連携するウイングによって、モーターサイクル全体のダウンフォースが向上(270km/h で+30kg)。引き上げられたダウンフォースは高速走行時における前輪の浮きを押さえ、ウィリーが起こりにくくするのです。さらに、ターンイン・ポイントとコーナーにおけるブレーキング時の安定性が向上します。

 

「パニガーレ V4 R」は2019年に発売される!

いかがでしたでしょうか?今回は、ドゥカティの市販車史上最速モデル「パニガーレ V4 R」をご紹介してみました。徹底的に作り込まれた(公道走行が可能な)レーシングマシン「パニガーレ V4 R」。もはや芸術品の域に入っていると言えましょう。

こんな恐ろしいマシンを公道で走らせる人なんて居るのでしょうかね?そもそも乗りこなせる人が日本に何人いるのでしょうか?一般人の筆者には全く想像もつかない世界なのでしょう……

 

参照-ドゥカティ