とあるコミュニティでの先輩であり、バイク乗りとしても先輩であり友人でもある人とそのバイクを紹介します。
そう滅多にはない方向の弩級カスタム(チューン)である上に、本人の語り口もツボにくる人にはたまらないであろうということで、是非紹介させてほしいと頼んだところ。
同好の士が増えれば!とネタに使うことは快諾していただいた上に、ブログ更新して現状まとめもしてくれましたが・・・・・・
いきなり真似ようなんて人は、そうはいないと思うよ?
ターボバイク
すぐに思い浮かぶといえば、世界初の市販ターボバイク「ホンダCX500ターボ」をはじめ、その後追いの「ヤマハXJ650ターボ」「スズキXN85」「カワサキ750ターボ」、CX500ターボの後継「CX650ターボ」といったところでしょうか。(第1世代)
しかしながら、いずれもその後メジャーなジャンルになることもなく一過性のブームで終わってしまったのは、当時の未熟な制御系や低効率のタービンによるドライバビリティや耐久性、高価な価格(逆輸入のみ)といったところではないでしょうか。
同時代の四輪も、BMW2002、ポルシェ930、初期の日産ターボ軍団等、「ドッカンターボ」と形容されるものが多かったですね。
四輪ではまだしも、低回転ではトルクの出ないスカスカなところから急激にパワーの立ち上がる過大なターボ特性は、二輪においては乗りにくく本領を活かせないだけでなく、危険な場面さえありそうです。
それとも、国内向けとしてVT250ターボが計画されながらも国交省の認可が下りずにボツになったり、レースの世界においては技術での真っ向勝負を避けての政治力勝負で、芽吹きつつあったターボの芽を寄って集って潰されたりの逆風で、技術が進むこともないままに不遇の時を過ごすこととなったのでしょうか?
その後、四輪では着々と制御技術も進み、市販車ではタービンもやや小さめかつハイフローのものが主流となる等、日常域での高効率化によるドライバビリティの向上とともに、技術としては全盛期を迎えましたが・・・・・・
その間二輪においては、個人や比較的小規模ショップ等でのチャレンジ的な取り組みとしての色合いが強かったように感じます。(第2世代)
そして現在、(ターボではありませんが)カワサキH2R / H2による、過給バイクの技術的 / 商業的成功をうけて、他社の追随の噂も出始めて第3世代となる様相が伺える状況となっています。
今回ご紹介するのは、上記でいうところの第2世代にあたる、個人の血と汗と涙と体液と脳内麻薬が混然一体となり結晶したものといえます。
ハヤブサターボ
以前ご紹介した「バイクはカスタムすべき?カスタムのメリットとデメリットについてもう一度考えてみよう!! 」の記事のスープアップの項の動画で、シャーシダイナモに載っていたあのバイクそのものです。
スウェーデンのMCXPRESSのキットをベースに、シリンダー底にゲタを履かせて圧縮を落としてTD04HLタービンを装着。
キットといいながらもポンづけでOKというわけにはいかないのは、日本以外では万国共通のことのようで?
まずは取付するのに切った貼ったでなんとか臓物を収めながら、制御系や補器等をとっかえひっかえし、どうにかそれらしく走るとこまでもっていったとのことです。
前項ではターボラグ云々と書きましたが。
過給に備えて若干圧縮比は落としたとはいえど、それだけでも過大なパワーを発生する1,300ccエンジンの地力と二輪の軽量の組み合わせであれば、ターボラグはライディングの上で致命的な欠点とはならないとのことです。
ちょうど四輪においては、大排気量車であるほどドライバビリティにおいて、ターボによるデメリットが薄くなるのと同じですね。
トータルで見てほぼ完成したとはいえ、現在も細かな仕様やセッティングの変更等で、まだまだ日々細々したところを煮詰めています。
特にセッティングにおいては、それまで二輪ショップ+自力で行っていたところを、ターボの経験とノウハウの豊富な四輪ショップに持ち込むことで、日常使用における安定性や燃費で大幅な進化があったとか。
画像では240psほどですが、これは壊さないことを絶対条件に、過給圧とエンジン回転数を敢えて大幅に抑えてのもの。
壊れてナンボで限界(500psオーバーレベル)までパワーチェックを繰り返し、その指標で勝負する人およびそのバイクのことを(過給バイクの本場?)アメリカでは揶揄半分で「ダイノクィーン」というんだそうですが。
よくハヤブサのエンジンは、軽自動車等とはいえそれなりに重い四輪に積み込んでのバックトルクにも耐えうるほど頑丈。とは聞きますが500psオーバーとはこれまたすごい。
「実走でどうなんだ?」とばかりに、そういった価値観を決して否定はしませんが、世の中にはそういう世界もあるんですね・・・・・・
浜名湖
これはもう・・・・・・
私が紹介としてあれこれ付加する必要はないというか、かえって無粋になるというもの。
ぜひともご本人の筆による文章でご堪能いただければと思います!
nomaddaemon 2008年9月29日「クレーン(1)」
参考-nomaddaemon、Flickr、いらすとや
Kawasaki H2R